Guerlain the Classics -Chamade編-
2020/10/12 20:00
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大変励みになっております。
ゲランやシャネルには、同じ名前の賦香率違いの香水がありますね。濃度が違えば、当然調香も違うというわけで(でないとEDPやEDTはただの劣化Pになってしまいますから)、今回のブログはゲランのクラシックラインのうちのひとつの濃度違いで香りを付け比べしてみようと思います。
第一回目はこれ(二回目があるかは知らん)!
1969年発売(制作に七年もかかったそうです)、ジャン=ポール・ゲラン作「シャマード」(右がパルファン、左がオーデトワレ)です。ゲランクラシックの中では一、二を争うくらい好きです(個別のクチコミはそのうち…)。
ボトルデザインが素敵です。今はゲランもボトルはどんどん統一されていってパルファンもクアドリローブボトルが多いですから、こういった専用デザインはうれしいですね。モチーフは逆さハートとゲランのカウンターでは教えてくれますが、本来は貝殻。ボッティチェリのヴィーナスの誕生がイメージだそうです(そしてこのボトルがレイモンド・ゲランの遺作となる)。今見るととても美しく感じますが、最初は芽が出た玉ねぎかと思いました。
公式にも記載がありますが、史上はじめてブラックカラントを香料として使用した香水として有名だけでなく、エドモンド・ルドニツカがディオールの「オーソヴァージュ」で使用したへディオンも商業許可を得る前に使われていたとか。
能書きはこれくらいにして、さっそく付け比べ。まずはPから。
まずはアルデヒドでぐるぐるとかき回されるように増幅したガルバナムのキーンとしたクラシックなグリーン。そしてヒヤシンス(シャマードはゲルリナーデのベースに初めてヒヤシンスを合わせた香り)を始めとした多層的なフローラルに移行。ブラックカラントのみずみずしさも感じますね。ドライダウンはパウダリーなウッディバニラへ。私が持ってるものはヴィンテージではないとはいえ、さすがP。なかなか圧巻な香りの複雑さです。
続いて、EDT。
トップのアルデヒド→グリーンの流れは一緒ですが、ガルバナムは抑え目でとっつきやすい感じ。そしてヒヤシンスのグリーンフローラルへ。Pと比べるとミドルの香りがシンプルというか、ヒヤシンスがメインをはっていますね。フローラルの厚みが少ないせいか、ブラックカラントのみずみずしさがPよりも際立って感じられますドライダウンはトーン抑え目のサンダルウッド+バニラ。
シャマードをシャマードたらしめているのはアルデヒド、ガルバナム、ヒヤシンス(と、私は思っています)。もちろん両方から感じられますが、PとEDTでなにが一番違うかというと、やはりミドルのフローラルの厚み、複雑さです。Pは肌に付けると、時間が経つごとにどんどん多層的なフローラルミックスが展開されていってそれはそれは豪華絢爛(ヴィンテージだともっとすごいんでしょうね)。一方EDTはメインのヒヤシンスの他はかなり控えめ。その分、歴史上初めて使われたブラックカラント精油の効果は存分に感じられます。持続はPで6~7時間、EDTは3時間ほどとやや短め。特にEDTは消えるのが早く感じると思います。私が持っているものが現行品のせいもあるでしょうけれど。
昨年はシャマードもついに50歳。何か記念ボトル的なものはあるかな?と期待してましたが強力なライバルであるミツコ100周年パーティには太刀打ちできずきっと草葉の陰で悔し泣きしていたことでしょう。ゲランからしたら4、50年なんていちいち祝うほどの歴史でもないのかも知れませんが…
まあ、そんなこと言ったら昨年はリウも90周年だったのに話題にすらのぼりませんでしたけどね!
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