内装は、気鋭の建築コレクティブGroupの井上岳氏とのタッグで進められ、香水もさまざまな素材(花、果実、樹、樹脂など)を組み合わせて創る芸術であることから、店内もレンガ、木材、金属などの異素材を組み合わせて表現しており、あまり角を作らないデザインもこだわりなのだそう。
カウンタースペース裏の全長6メートルに及ぶ香料棚には、50種以上の香料が並び、店内に足を踏み入れただけで圧倒される。
これまでフルオーダーを提供したユーザーの香りが、一部アーカイブとして展示される予定だ。
オーダーメイドとは別に、プレタポルテコレクションの香りも並び、購入も可能。
新たに、パフューマーのNao氏が参画していることも、この店舗が楽しみな一つだ。Nao氏は日本人でも数少ないフランスの名門調香学校ISIPCAを卒業し、海外の香料会社勤務を経たパフューマーである。ISIPCAは、現在世界で活躍する名だたるパフューマーも卒業している調香学校であり、日本でキャリアを積んできたパフューマーとはまた違った視点でのフレグランスを提供してくれるのではないかと思う。こちらのラボでは、常時香りが創り出されていく。
さらに、店長には香水専門のインフルエンサーであるMr.FRAGRANCEが就任。これまで地方で香水ビジネスに携わってきた彼だが、1つのフレグランスブランドで、かつ店頭接客に従事するのは初めてだと言う。香水ビジネスに関わる前も異色の経歴を持ち、一人のフレグランスファンとしての視点を忘れることなくアドバイスをしてくれるであろう点は、フレグランス初心者にとっても敷居が低く飛び込みやすいのではないだろうか。
https://www.instagram.com/mr.fragrance_jp/
店先には、日本では非常に珍しいバニラの木が育てられており、今後の成長によっては香料化までをユーザーとともに見届けるようなイベントも予定しているそうだ。これも、これまでのフレグランスブランドには無かったような「体験価値」を届ける活動の一環と言える。
中目黒という土地は、表参道や新宿のような情報の中心地ではないが、コーヒーやパンやお酒などのこだわりの強い店も多いそうで、クリエイティブなスポットであり、また一本脇道を入れば静けさと同居している。目黒川も近く、自然とも密接だ。上質なファッションアイテムを扱う店も多い。ここにLIBERTA PERFUMEの店舗が出来たことで、ただ香水を販売するというだけでない、香りを見て、触れて、感じて楽しむ、まさにエクスペリエンスの解放を感じた。
私も、香水業界が多忙な秋を超えた頃、また落ち着いて伺ってみたいと思う。
★LIBERTA PERFUME ラボパフューマリー 中目黒店
住所:東京都目黒区青葉台1-14-4https://liberta-perfume.com/
【執筆者】
美容・香水ジャーナリスト YUKIRIN日本で唯一の香水ジャーナリストとして、メディアで香りの情報を発信。またナチュラルオーガニック美容の専門家でもあり、コラム執筆や、記事監修を行う。これまで2,000種類以上の香水や、500ブランド以上の化粧品に触れ、新製品や国内市場の動向を網羅する他、ブランドコンサルティングとして活動中。
https://ja.wikipedia.org/wiki/YUKIRIN
★公式Instagram
毎月第一土曜日の22時からは、フレグランス専門インスタライブを配信中。
https://www.instagram.com/fabgearyukirin3/
AtIiさん