
必要に応じて日焼け止めを塗り、夜にはクレンジングオイルで汚れを浮かし、泡立てた洗顔せっけんで汚れを落とし、化粧水、乳液、クリームで保湿し整える、それだけを機械的に繰り返すものでしかありませんでした。
コスメを選ぶ基準は、使っていてピリピリしたり、痛みなどの違和感があるかどうか。
複数回使ってみて、湿疹や発赤などが現れるかどうか。
そして、価格が継続使用できる範囲内かどうか。
それがすべてだったのです。
30代後半から現在にかけて、若いころには想像もしていなかった変化が起こりました。
体質が変わって、深刻な食物アレルギーに悩まされるようになったこと。
花粉症によって命の危険を感じるほどになったこと。
身体が弱くなって、いったん体調を崩したら、なかなか回復しなくなったこと。
新型コロナウィルス感染症の予防接種をきっかけに寝込んだ後、久しぶりにきちんと鏡をのぞき込んでみたら、眉間にくっきりとシワが刻まれ、頬のマスクラインにはっきりとシミが浮き上がっていました。
頬骨の下側がげっそりとやつれたようでもあります。
自分の身体について、また、日々の過ごし方や、スキンケアについて、考え直す時が来たのだと感じました。
私は、これから先の人生を、1日でも長く、健康に、前向きに生きていきたい。
では、私にとって本当に必要なスキンケアとは、何なのだろう?
私の人生において、スキンケアはどのような意味を持つのだろうか?
何を、どこまでするべきなのだろう?
思考の迷宮に陥った私に、落雷のようなひらめきを与えてくれたのが、とあるオーガニックコスメメーカーさんの言葉です。
要約すると、『基礎化粧品にこだわることは、お肌だけではなく、心身の健康と生き方を大切にすること』だというのです。
「ああ、そういうことなんだ」と腑に落ちました。
私にとってスキンケアとは、自分を好きになるための儀式なのかもしれません。
これまで漫然と使い続けてきたコスメですが、これからは自分の肌と対話しながら、こだわっていきたい。
まだ見ぬコスメ、新しい出会いを、楽しみたいと思います。
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