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日焼け止めのPA++++表示登場を考える ~UVAマーク、PPD、PA+表記についてのメモ~

日焼け止めのPA++++表示登場を考える ~UVAマーク、PPD、PA+表記についてのメモ~

■入り乱れる「焼けにくさの表記」を整理してみる

国内では、日焼け止めの焼けにくさの表示に「PA++++」が使えるようになり、そろそろこの表示をうたった新製品も出てきました。
しかし、ここでふと「うーん、そういえば2012年はロレアルグループがUVAマークの普及キャンペーンを張っていたんじゃなかったっけ」と思ったのです。さらに、わたしが去年よく使っていたラロッシュポゼには、PPDという焼けにくさの表示があります。

PA、PPD、そしてUVAマーク(「UVA」の文字が丸囲みになっているもの)。全て「UVAに対する焼けにくさ」を示すものですが、表記がバラバラではちょっと混乱しますよね。
たとえば、
△社の日焼け止め:SPF50 PA++++
○社の日焼け止め:SPF50 (UVAマーク有り)
とあったとき、どちらが強力な日焼け止め効果を持っているの? という疑問がわきます。今回は、これらの表記を自分なりに整理してみることにしました。

それぞれの表記の由来、日焼けによるトラブルや老化の仕組みについては情報が豊富なので、ここでは割愛します。
そのかわりに、
・PA++++表示が登場したことで製品選びがどのように変わるか
・これまで不明瞭だった対UVA効果がもう少し細かく推測可能になるか
という点を気にしつつ、ちょっと整理してみたいと思います。


■PPD、PA、UVAマークは何が違うの?

まずは、基本事項です。
・SPFはUVBに対する焼けにくさを表す
・PPD、PA、UVAマークはUVAに対する焼けにくさを表す
・UVAは肌の老化と深い関係があるとされている
SPF表示の部分は共通で、UVAに関する表記の部分がまちまち。でも、肌のことを考えたらUVAに対しても気をつけたほうがよさそうですよね。

実は、どの表記でも基準になるのはPPDの値なのだそうです。
●UVAマーク…SPFに対してPPDが1/3以上であるもの
たとえば、SPF50の製品ならおよそPPD16.7より上、ということです。

●PA…PPDの値を4段階に区切って高さを示したもの
具体的には以下のようになります。
PPD2~4未満=PA+
PPD4~8未満=PA++
PPD8~16未満=PA+++
PPD16~=PA++++
+が増えていくのに従って、PPD値の幅が大きくなっているようです。

これを見比べると、SPF50以上の製品の場合
PA++++≒UVAマーク有り≒少なくともPPD16以上
と、下限はざっくり横並びだと思ってよさそうです。
日焼け止めの効果を気にしている方なら、この「横並び」を見て「あっ、これはわかりやすくなった!」と感じるのではないでしょうか。


■PA++++の登場で安心感と選択肢が広がるかも?
従来、国内で売られる日焼け止めの表記はPA+++までになっていました。
PPD8~=PA+++
という当時の定義に基づけば、下限のPPD8付近であっても、PPD18であっても、表示は同じPA+++です。
SPF50でUVAマーク有りの製品なら約PPD17以上なので、見比べると「もしもPA+++の下限近くだったら、かなりパワーが違うかもよ」という懸念が残ったのです。

この懸念をある程度解消するのが、今回登場した「PA++++」という区分。
ここに当てはまっていればPPD16は達成しているので
△社の日焼け止め:SPF50 PA++++
○社の日焼け止め:SPF50 (UVAマーク有り)
□社の日焼け止め:SPF50 PPD18
この3つで迷った場合、焼けにくさのパワーはだいたい同等の水準を満たしていると判断し、あとは落ちづらさや使用感の好みで選ぶことができそうなのです。

平たくいえば、
「国産ブランドの日焼け止めはどこでも安く買えるし、使い心地も現代風だし、このPPD値がはっきりしていれば安心して使うのになあ。UVAマークってこれにはつくのかな」
と思っていた方にとっては、PA++++=PPD16以上、という指標ができたことで納得して製品選びの候補に入れられるようになったわけです。

※もっとも、数字上の焼けにくさのほかに、製品ごとにこすれ落ちやすさなどの差はあるように思います。特にSPF50クラスを投入したくなる過酷な環境下では、同等のSPF値・対UVA効果を表示してあっても、「なんだかこれ焼けるなあ」というものは存在すると思います。

PA++++もPPD16~という定義で、またもや上限に不明瞭さが残りますが、現在売られているUVAマーク有り/PPD表示ありの商品はPPD17~20付近に集中しているように思います。
一般人に想定されるアウトドア活動では、これぐらいあれば必要十分だということになるのかもしれません。
私見ですが、市街地の通勤通学・家事程度の短時間の外出であれば、SPF/PPDとももう少し低くても大丈夫なのでは、と思います。


■ラロッシュポゼのラインナップイメージを整理する
国内で買える日焼け止めで、従来からPPD値が明確だったのがラロッシュポゼです。高SPF/PPD値のわりに使用感がマイルドで、価格もバランスが良いのでわたしは気に入ってよく使っていました。

ラロッシュポゼにはやたらと日焼け止めの種類が多いので、ここでもう一度整理してみます。
これらは全て使用したことがあり、3種に関しては現品を何度かリピートしています。じっくり使った結果、クチコミのほうに
・青パケは日常使いカテゴリの最高パワー、国産メーカーのリゾート向け相当ではないか
・橙パケは振り切った「局地戦用」、ハイパワーだが普段使いには使用感に難有り
という推測を立てていました。

UVイデアXL(青パケクリーム) SPF50 PPD 18
UVイデアXL ティント/BB(青パケクリーム、色つき) SPF50 PPD 18
UVイデアXL フリュイド(青パケカシャカシャ) SPF50 PPD 15
UVイデア マイルド(青パケクリーム) SPF30 PPD 8
アンテリオスXL(橙パケクリーム) SPF50+PPD 30
アンテリオスXL フリュイド(橙パケクリーム) SPF50+PPD 38

PA++++表示を考慮して改めてみてみると、
・青パケでSPF50&クリームチューブの製品はPA++++相当
・青パケのカシャカシャタイプはPA+++の上限付近
・橙パケは頭ひとつ抜けたハイパワー
というイメージです。

青パケのイデアXLシリーズで、カシャカシャ振るさっぱりタイプの「フリュイド」と、クリームタイプの間にちょうどPA+++と++++の線引きが入っている点が興味深いです。
数値としては「フリュイド」もPA+++の上限なので、それほど大きなギャップがあるわけではありませんが、国内表記の区分はわかれるのですね。

この春から国産でどっと出てくるPA++++と同等の効果を確保したければ、だいたい青パケでクリームチューブ形状のものを選べばOK、ということになりそうです。
青パケのクリームチューブで注意したいのは、SPF30 PPD8の「マイルド」もそっくりのパッケージだという点。
また、橙パケのアンテリオスシリーズは、もしPA+++++という区分があったら、ここに入ってくるのではないかというものですね。(わたしにとっては、これはスポーツイベント用です。)

■まとめ
今回のPA++++表示登場で、国産メーカー品はぐっとわかりやすくなったのではないでしょうか。PA+++時代の「PPD8から上のことはわかりません」という世界と比べると、かなり安心感や明確さが出た気がします。
現状PPD16付近というのが「SPF50に対して約1/3」という特徴あるピークになっていて、ここに新たな線引きができたことで、外資の表記スタイルと並んでも判断しやすくなった、見劣りしなくなったと感じます。
(かつてUVAマークがあった資生堂のアーバンエンバイロメントから、ある時期にUVAマークが消えた顛末はこのPA++++表記の開始と関係があったのかもしれません。)

PPD準拠ならいっそPPD表記に統一してくれれば、と思うのですが、
PA++++≒UVAマーク有り
というざっくりした判断基準が得られただけでも、まずはよしという印象です。

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コメント(1件)

  • 初めまして すっごくためになりました。わたしは ランニングするので 日焼け止めなにがいいかなっておもってまして SPFとPAのみで判断しておりました 今一度 ラロッシュポゼ 使用したいと思います。
    BBタイプのもありますね~ 白くならないしいいですね

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    2014/1/15 07:16

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