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化粧品に含まれる合成ポリマーは悪なのか?3

化粧品に含まれる合成ポリマーは悪なのか?3

●潤っていると錯覚させているだけ?●

合成ポリマーについての私が調べたことのまとめを3編に分けてお送りしています。


界面活性剤で皮膚バリア機能を壊した部分をポリマーで覆って潤っていると錯覚させるという点について。


これは一部誤解があり、一部は正しいと言えます。

クリームや乳液に含まれる界面活性剤は成分表示を見てもおわかり頂けると思いますが
下位に記載されていて全体のうち微量に入っているだけです。

これが何のために入っているかというと油性成分と水溶性成分を混ぜる乳化、有効成分の分散、
品質の安定、成分の浸透のためであり、肌への悪影響はほぼないといわれています。


いわゆる皮膚バリアを破壊してしまうといわれるのは界面活性剤が多量に入った洗浄剤のことであって、
たとえ石鹸であっても、石油系合成界面活性剤であっても、アミノ酸系界面活性剤であっても
なんでも長時間肌に乗せるのは好ましいことではなく、クレンジング、洗顔を手早く済ませるしか
界面活性剤から肌バリアを守る方法はなく、クリーム、乳液に含まれる界面活性剤については
一般的に極微量に配合されているだけですのでバリア云々を気にする必要はないと思っています。
乳化してしまっている時点で界面活性作用は失われているはずですし。
また、界面活性剤は生分解性があり、お肌の酵素で分解されるのでいつまでも残留するということはありません。

角質層は油溶性のものを通しやすく、それより内側の組織は水溶性のものを通しやすい性質があり、
水溶性のものを内部に届けようとしても角質層がバリアになってしまうのです。
そのバリアを通り抜けるために界面活性剤が必要になるわけです。
そのため美容成分はクリームや美容液に配合されることが多いのです。

若いうちは気にならないと思いますが、界面活性剤がなければ年齢肌に現れ始める
シミやシワの原因が潜む真皮層や基底膜に有効成分を届けることができません。

肌バリアを壊して水分を入れやすくして潤わせるという認識がそもそもの間違いです。
お肌の水分はわざわざ外から入れ込むべきものではないのです。

保水力を持たせるためにお肌のセラミドを増やすのがいちばんの近道で化粧水は気休め、
または肌をふやかして美容成分をお肌の奥へ届ける道筋作りのためのものなのです。

(化粧水はただ肌をふやかすことが目的なので個人的には界面活性剤は必要ないと思うし、吉木伸子先生含め、
そもそも化粧水が不要だという美容家もたくさんいるので化粧水の界面活性剤はちょっと考えさせられています)

合成ポリマーは天然ポリマーであるヒアルロン酸などと同様に水分を吸着する作用があり、
あたかも肌や髪が潤っているように見せかけるために投入されることも多々あります。
ちなみにヒアルロン酸も分子が大きいので真皮へは浸透せず、肌表面から角質層の保湿しかできません。
しかし本来なら蒸発してしまう化粧水や美容液の水分を肌に閉じ込めておくという役割はあるので
全くの無駄ではありません。ただ、オイルなどで代用できるものもあるのは事実かと。

また一部の水溶性合成ポリマーには乳化作用があるため、合成ポリマーは乳化剤としての目的で配合されることもあります。
ポリマーの網目の中に油性成分がからまって分散され乳化させるため界面活性剤とは乳化のメカニズムが異なります。
また、ポリマーの増粘性により乳化が安定するため、分離しにくくなるため界面活性剤の使用量を減らすこともできます。

また揮発性のある合成ポリマーならば、肌に乗せてから何時間かを掛けて肌から消え去ってしまい残留はしません。
このような合成ポリマーが含まれたものならたとえ基礎化粧品でも安心して使用して良いのではないかと思います。

ただ私は、合成ポリマーに頼りすぎて常に肌を覆って、その状態を自分の肌だと思い込むような
ごまかしのスキンケアというものに意義を感じない、という理由で
基礎化粧品には過剰な合成ポリマーはは不要だと思っています。
(もっと言えばヒアルロン酸だって肌に塗る必要も感じてません)

保水力が著しく低下した肌には合成、天然問わず、ポリマーが一助になるかとは思いますが、必ずしも必要なものではないと思います。

いくら水溶性で洗えば落ちるとはいえ、わざわざ落とす必要のあるものを使って保水する必要があるほどの
肌状態の人がそんないくらもいるとは思えませんし、そのポリマーの保つ潤いを自分の肌の潤いだと勘違いしてしまっては
きちんと自分の肌状態と向き合えるとは思えません。
必要としている人もいるのは事実だとは思いますが、なんでもかんでも入れられてしまうのは疑問を感じずにはいられません。

私が特に不要だと思うのは撥水性のあるジメチコンなどの残留しやすい合成ポリマーをスキンケアアイテムに入れること。

安価なシリコーンは粘度が高く落としにくいものが多く、反対に高価なシリコーンは水のようにさらさらとしているため落としやすいのですが、
原価をさげるため安価な原材料を使用した安価な化粧品に関しては肌に残留しやすいシリコーンを入れられることは事実あります。

これらのせいでいわれのない迫害を受けているポリマーもたくさんあると感じています。

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