歯科衛生士をしています。
義歯ではなく、むし歯の治療と言うことでよろしいでしょうか？義歯というのは入れ歯のことを指すのですが、質問を拝見するとむし歯治療の部分的な詰め物or被せ物のことについてだと思いましたので、そのつもりで回答させていただきます。

まず、一本の歯を全部覆う(冠を被せる)必要がある場合は、保険治療では所謂銀歯になります。保険治療で白く出来るのは第一小臼歯と第二小臼歯の２本です。少し前から、第一大臼歯も条件付きで白い冠が可能になりましたが、保険上の条件が細かい上に、第一大臼歯自体にかかる負荷を考えれば、あまり積極的に勧められる冠ではありません。おそらく歯科医師も、破折するリスクを考えてやりたがらないでしょう。
保険の白い冠って、プラスチックみたいなものなので、銀歯に比べると割れやすいんですよ。

次に、部分的な詰め物になる場合ですが、これはむし歯の範囲、深さによります。
歯の溝の浅いむし歯程度であれば、保険で白い詰め物(コンポジットレジン修復)にできますが、むし歯が深い、または歯と歯の間からむし歯になってしまっている場合は、型どりが必要になる(インレー)可能性が高く、保険治療では金属しか選ぶことができません。
歯の間からむし歯のケースでも、小さければコンポジットレジンで対応することもありますが、ある程度削らないといけない場合は詰め物の強度や治療の難易度の問題から、どうしてもインレーになってしまいます。保険治療ではインレーは金属しかありません。

金額はコンポジットレジン＜インレー＜クラウン(冠)の順で高くなります。保険が三割負担ならば、1000円～4000円程度です。
可能であれば、保険外治療の方が精度・審美・プラークの付きにくさ・むし歯再発のリスクも少なくなるのでオススメではありますが、保険治療ということであれば、まずはむし歯がどの程度のものなのかしっかり担当医に確認をして、コンポジットレジンが対応可能か聞いてみてはいかがですか。
ちなみに、保険治療の詰め物や冠は一生ものではないので、必ずどこかでやりかえが必要になります。