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今年7月に発売された「メゾンクリスチャンディオール トリロジーコフレ」にて再び日本でも発売された「オー ノワール」。元々クルジャンの作品であるため、本人によるセルフカバーということになる。以前のものはあまりの個性に「人類には早すぎる香り」と感じたが、作者本人による渾身のリフォーミュラ版はどんな香りなのだろうか?
初代やフランソワ・ドゥマシーによるアレンジ版は暗緑色に着色されていたが、これは薄い黄色でなんだかとても普通(?)っぽい。裏の成分表示を見てみると、無着色になったようだ。これから発売されるであろうメゾンクリスチャンディオールのシリーズも着色料フリーになるのだろうか、そんなことを考えながらスプレーしてみる。涼やかなラベンダーだ。シャープなメンズっぽさよりも、柔らかなフローラル感が強い。3種類のラベンダーアブソリュートが使われているらしい。付けてからだいたい2、3分くらいはこの嫌味のないラベンダーが心地よく香る。このままアロマティックな展開か、ウッディにまとまってくれれば普通の香水。
ここからが問題だ。待ってました!と言わんばかりにスパイシーな香りがガンガン主張してくる。ペッパー、サフラン、コリアンダー、ジンジャー等なら香水としてはよくある香りだが、実際の所はカレーの香りである。いや、カレー煎餅?ちょっとラベンダーの余韻がするカレー煎餅。相変わらずのキャラクターで安心したような残念なような、臭いとかキツいとかいう問題ではなく、なんとも評価に困る。カレーが嫌いなわけではないが、自分の身体から香らせるのはちょっと…。
香りを持て余していると、ふっと香りがガラリと変わる瞬間があった。さっきまでのスパイシーな香りはどこへやら、なんとも美しい、チョコレートのようなコクと、蜂蜜のようなファセットのあるスイートアンバーに豹変していた。そこにリコリスの冷たい甘さも加わりながら滑らかにドライダウンしていく。トップからミドルまでで約1時間、ドライダウンは3、4時間ほど続く。
どうしてもスパイシーなカレー香ばかりに目がいきがちだが、柔らかなラベンダーのフローラル感と、ドライダウンのアンバーの甘さは非常によくできていてクルジャンの本気度が伺えた。リフォーミュラというとどうしても「薄めた」「安い材料に切り替えた」とマイナス意見を言われがちだが、トリロジーコフレ3種に関してはむしろグレードアップしたのではないかと思う。
トリロジーコフレが発売されてから約5ヶ月、メゾンクリスチャンディオール関連には新しいフレグランスの情報はまだない。新作を望む気持ちもあるが、今までが若干ペースが早過ぎた感もあるため、少々間があいたとしてもクルジャンには自分が納得のいく作品をリリースしてほしい。
トップ:ホワイトタイム、クラリセージ
ミドル:ラベンダー、バージニアンシダー
ベース:バニラ、グリーンステム、リコリス
調香師は、フランシス・クルジャン。
(parfumoより)
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