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1つの香水を作るとき、その香水は香りが先なのか?それとも、名前が先なのか?時折、そんなことを考える。それは概して、香りのイメージとネーミングとの間にギャップを感じてしまうときだ。
ダビドフのクール・ウォーターは、俺の中では全然「クール」じゃない。初めてこの香りを体験した10年に以上前から、この香りに対する印象は今も変わっておらず、その印象に名前をつけるとしたら、「モワット・ウォーター」だ。
つけた瞬間から、ラベンダーの香りとローズマリー系のハーバルな香りと、ほんのりスパイシーなコリアンダー系の香りと、合成シトラスのトニック臭と(ジヒドロミルセノール)、そしてメロンっぽい潮風&海藻な風味が渾然一体となって広がってくる。何というか、スーッとクールにこない。逆に、もわりと空気を丸く膨張させるかのような押し出し感をもって広がってくる。絵的に言うと、陽に灼けたサーファーの、盛り上がった肩の筋肉のようなマスキュリンだ。無精ひげ&細マッチョ。
ただ、これはどうもかなり個人差のある香り立ちのようで、体温が高めの自分につけた場合の印象。フゼアのタイプは、ラベンダーとクマリンの中間に位置するというが、そのバランスの取り方によって、すっきりしたラベンダー寄りになるか、甘くパウダリックなクマリン調になるか、いくらでも変えられるし、条件によっても変わるようだ。
だから、体温が低めの方やムエットなどの場合は、かなり印象が違う。やや低いラベンダーとほんのりとしたミントがすっきりと香って心地よく感じやすい。そこにローズマリーやゼラニウムの香りがふくよかさを添えているといった印象。特にハンカチなどの布に吹き付けた場合などは、とてもしっとりとした柔らかいハーバルな清涼感があり、ああ、これならクール・ウォーターという名も頷けるなあと思う。
ならば、調香師は、体温低めの方がつけることを想定して作ったのかなと考える。そして、いや、そんなはずはない。それじゃ、イメージやテーマとそぐわないんだよなあとまた考える。
ダビドフはもともと葉巻会社だ。シガーの分野では、本当に世界最高の葉巻を製造する有名な会社。それが香水分野に進出するにあたって、調香師に求めたテーマは何だったろう?クール・ウォーターに求めたテーマ、それは、「海・波・光・男」。このへんではなかったかと推測している。名前が最初からあったかはわからないけれど。
そうなると当然思い浮かべるシーンは、夏の暑さが感じられるものだ。まばゆい太陽。きらめく波光。砂を巻き上げる潮風。次々と沖から押し寄せてくるビッグ・ウェイブ。パドリングをしながらタイミングを図る老獪なサーファー。ふと風がないだときに感じる、海と汗のやけた香り。
でも、そんなシチュエーションでつけることを想定すると、やっぱりムワット・ウォーターになるんじゃないかな…。ん…?あ――!そうか、湿度だ。湿度が違う。
日本の夏は高温と多湿が同時に来るのが普通だ。だが、概してヨーロッパ諸国やアメリカの西海岸などは、夏は高温でも乾燥していることが多い。つまり、日差しはまばゆく熱いが、空気はさらっとしているということだ。ならば、これぐらい押し出し感のある膨張系の香りも、うっとうしくは感じられないのではないか?むしろ、包容力やセクシーさといったマスキュリンを演出する意味で、重宝なアイテムになるということだろうか?
詳しくは知らない(笑)。それでも、唯一言えることは、夏のデイタイムをイメージした香りであることは間違いないのに、なぜこんなにもムワムワとうっとうしく感じることが多かったのか?という答えが見つかったということ。
つまり、「体温高めで汗をかきやすい人」「高温多湿な日本の夏の日中の使用」。これらは、この香りをあまり楽しめないかもしれないということだ。そうか、そうだったのか。←勝手に納得してるな
1つの香水を作るとき、その香水は香りが先なのか?それとも、名前が先なのか?時折、そんなことを考える。ずっとこの香りと名前の間で揺れていた。「なんでこんなにモワッとしてる香りなのに、クール・ウォーターなんだ?」
やっとわかったよ。体温高めで新陳代謝もよい、つまり汗かきな俺が、真夏のデイタイムに使ってきたからなんだな?そういうことなんだな? ←ダブルパンチでアウトだな
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