ジャンパトー / ジョイ 口コミ

この香水と出会ったのは
私の大好きな　Eugene　Carriere　の一枚の絵
（黒、白、紅、金色　(金髪色)　で構成された、神秘的な絵画）に、
ボトルが似合いそうなだなぁ...と思ったのがきっかけでした。
（今も　Carriere　の絵の横に、ちんまりと座っております。）


肌に纏ってみると

　小さな　丸みをおびた　真紅の薔薇の花を　両手で　そっと包んだような

　“体温のある薔薇”の香り。

これは・・・!

　「ナイチンゲールちゃんだ!!!」と　叫んでおりました...。


幼い頃、オスカー・ワイルドの“ナイチンゲールと薔薇の花”を読んだ時
言葉にできない、心を強く抓られたような感覚を持ったのが
今想うと、私の“薔薇好き”の始まりだったと思います。
（もちろん、オスカー・ワイルドも大好き。）

子供ごころに、

　「あの、ナイチンゲールちゃん（薔薇）は、あの後どうなったのだろう...」
　「どうして、悲しい、やりきれないお話しなのに
　　こんなにも美しいのだろう...」
　
　「あぁ、いつかナイチンゲールの薔薇に出会いたい」
　
　「薔薇香水は、ナイチンゲールの紅い薔薇でないとだめ」

・・・と、大人になってからも
薔薇香水といわれるものは殆どためしてきましたが

まさか...こんな黒い壺の中に、ナイチンゲールちゃんが居てくれたなんて...!

しかも、“JOY（歓喜）”　だなんて...。

　でも、肌に纏って時間が経つとともに解ったんです。
この香水は、自分の身体から香るように優しく融けこんでくる。

白い月夜の秘密を知る、暗闇に白く浮かぶジャスミン達に祝福され
柔らかなナイチンゲール（薔薇夜鷹）に抱かれるように...。

オスカー・ワイルドの“幸福な王子”では
最後に、天使の選択と神様のはからいにより
王子と燕は、天国で永遠の幸せを約束されますが
この香水も、この香りを纏う人と一体になることができる
香水自身の“JOY（歓喜）”なのではないかな...と。


“JOY”（勝手に「ナイチンゲールちゃん」と呼んでいる）を纏っている時
儚気なしっとりした羽（花弁）に守られながら
私は、ほんのりと切ない気持ちになるのですが
「似合っているね。素敵な香り!」と言われると
あの青年に理解されることなく、報われなかったナイチンゲールの分まで
理解してもらえて、誉められたような気持ちがして
とても嬉しくなります。（^-^）゛*

（「何処のですか?」と聞かれると、「ナイチ・・・」と言いかけちゃったりして
　危なかったりもするのですが...（^-^;）゛）


それにしても、大好きな一枚の絵から、大好きな物語りを経て
大好きな香りに出会うとは・・・

美しいものは、どこかで繋がっていて、ちゃんと出会えるのですね...。
（美の連鎖反応。）

そのためにも、黒、紅、金色のボトルデザインは
大切に残していただきたいものです。

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