ミスオブ沙棗 / ラスティングパヒュームコロン 口コミ

上村松園の描く女性のイメージを香りにしたら、きっとこんな感じ。
艶やかな黒髪、白くてきめ細やかな肌。
黒目がちな瞳と、小さくて赤い唇。
それから沙棗にも感じた、はっきり否定も肯定もしない、微笑んでその場をやり過ごすような曖昧さも。
この儚くてちょっと曖昧な感じは、日本のブランドだからこそ、できたと思います。

香調はオリジナルとの比較で申し訳ないのですが、
トップにフレッシュなフルーツとグリーンの香りが使われており、
オリジナルよりも、アルデヒドのお化粧品ぽい匂いは弱め。
そのせいか、こちらのほうが可憐で、愛らしい感じがします。
そして、2つに共通しているのは、香り立ちが、湿気の多い時期でもこもらずに美しいこと。
私はむしろ、梅雨時期の香りのほうがきれいだと思ったくらい。

ボトルデザインもアンティークな香水瓶といった趣で、素敵ですね。
赤と黒という色も、漆器みたいで和風な感じですし。
私の持っているものは、四角い箱に入ったコロンですが、それでも雰囲気あります。

廃盤は残念ですが、今の資生堂が打ち出したい、しなやかで、芯の強い女性のイメージとは違うのでしょう。
でも儚いから美しいと思える美的感覚が消えていくようで、寂しいですね。

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