梅雨明けの待たれる日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回ご紹介させて頂くのは、日本を代表する随筆家・白洲正子のエッセイ
「たしなみについて」(白洲正子 著 /河出書房新社)です。

樺山伯爵家の次女として永田町に生まれ、四歳から能を習い、大正時代にアメリカ留学を経験し、皇族とも親交があり、稀代のジェントルマン白洲次郎と結婚…
「な、なんとも敷居が高い…。」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、彼女はそのような華麗なセレブリティや経歴に甘んじることなく、"ほんもの"を求め、自ら険しい道を選んでゆきます。
小林秀雄や青山二郎などの大家へ弟子入りし、非常に厳しい執筆と骨董と修行を積み、血を吐くほどの努力を重ね、遂には俗人には到達できない高い世界へと進んでいった白洲正子。
そんな彼女が書いた「たしなみについて」は、現代に生きる女性にとって、
厳しくもあたたかい"ほんもの"の言葉が詰まったエッセイです。
「物事は徹底すれば、おしゃれも単なる虚栄ではなくなります。
ようするにこれも又中身の問題であって、ファッション・ブックなんかいくらめくっても解ることではありません。
頭は使わなければさびつきます。人間も磨かなければ曇ります。」
知性を磨き、そこに立ち昇る美を求める女性に、ぜひ読んで頂きたい一冊です。
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