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日焼け止めクリーム再考

日焼け止めクリーム再考



夏のみならず春でも冬でも日焼け止めが必要な事実が認知されつつある今日、5月のこの時期が夏に負けず劣らず日差しが強いことも広く知られてきていると思うのだが、実際日焼け止めを季節によって上手に使い分けている人はどれくらいいるのだろう。

かつて私も日焼け止めは強力なものの方が良いと信じ、真冬以外は屋外でも屋内でもSPF50のクリームを使用していた。確かに日焼けすることはほとんど無かったが、こんなに塗りたくる必要はあるのだろうかと日々疑問に思ってはいた。そして20代半ばを過ぎてからは強力ではあるけれども肌に優しいものを選ぶようになり、今ではできるだけ天然の成分で日焼け止めできるよう方向転換してきた。近年紫外線吸収剤不使用の明記が目につくようになってきているのは世の中が化学合成成分ではなく自然成分を求めつつある証拠なのかもしれない。

日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱(反射)剤の2種類が存在する。
両方共SPFとPAでその効果を表すが、同じ日焼け止めでも肌に及ぼす影響は全く異なる。
紫外線吸収剤は化学合成で、塗布した皮膚内で紫外線を熱エネルギーに変換したり構造を変えることでブロックするが、その際に肌に負担がかかり、また可能性としての話だが、吸収したはずの紫外線が放出されることも考えられるのだというから少し怖い。そして塗ってから一定時間置かないと日焼け止めとして作用しないというから、塗ってすぐに外出していたという方には耳の痛い話かもしれない。
一方、紫外線散乱剤は、天然成分であることが多く、紫外線が皮膚内に入る前に反射してブロックする。前者と比べて肌への負担も軽く、塗布後すぐに作用するという点でも安心である。また、塗布した散乱剤が汗などで落ちない限りSPF値の時間的効果以上の効果を発揮するとも言われる。前者に比べて価格が高いことは否めないが、総合的な美容への貢献という点では後者が圧倒的に有利だと思われる。

そもそもSPFとはなんだろうか。
SPF1で約20分の日焼け止め効果があるとされているが、その測定はアメリカが基準とされていることが多いそうで、要するに白人の肌における効果であるからして、日本人ではどうかという点でその数値に誤差があることは念頭に置かねばならない。私が高校生の時はSPF80とかSPF110という日焼け止めが存在し、強ければ良いと思っていた当時の私は何の気なしにそれを塗ってとんでもなく顔がつっぱった記憶があるが、今はそういった強力な日焼け止めはSPF50+という表示で大体統一されている。注意しなければならないのは、SPF値が異様に高いものは紫外線吸収剤をたくさん含んでいる場合が多々あるということである。日焼け止め効果が高いということはそれだけ肌への負担も重い。強いものを付けて安心するより、多少弱くても小まめに塗り直すことが大事である。日焼け止めのSPF値は大体SPF20~SPF30のものが多い。SPF50はそれらに比べてとんでもなく強力なイメージがあるが、2012年4月号のマリエンニュースによれば実際の紫外線ブロック率はSPF20が95%に対してSPF50が98%と何と3%しか違いがないのだというから、塗り心地が悪いのに紫外線が怖いからといってSPF値の高いものを付けるのは止した方が良い。

SPFがUVB(皮膚がん、シミに影響)をブロックするのに対し、UVA(シワ・シミに影響)をブロックする指標がPAである。
PA+(効果がある)、++(とても効果がある)、+++(非常に効果がある)でそのブロックの効果が表されるがこれは日本でのみ適用される表記らしい。海外の日焼け止めクリームを購入する際にPA表示が無かったのでメーカーに問い合わせたことがある。すると、「PAは日本だけの基準であるからして答えられない」と返答をもらった。海外ではPAという概念は無く、欧州ではTPPを適用している国が多い。PA表記に曖昧な印象をもつ人間としてはTPP表記も取り入れて欲しいと思う今日この頃。

最後に、どんな日焼け止めでも紫外線を完全に防ぐことは不可能であるからして、サングラスや帽子、衣類等を併用することで更に効果を高めることは必須なのではあるが、たまに見かけるダースベーダ―のようなおばさんには正直閉口してしまう。確かにいつまでも美しい肌を保つためには必要なことかもしれないが、それはまるで節約のために何から何まで無駄を省いて合理的に生活している人のようで、その人の人生にまるで魅力や味気を感じさせない。強いカラダを作るために必要なビタミンEを体内で生成するためには太陽の光が必要であり、うつ病やその他肺機能疾患の改善にも日光は昔から重視されてきた。紫外線が肌に悪いのは疑いようのない事実だが、だからといって何もかも除外してしまうのはどうかと思う。節約家にとって一見無駄な買い物だって、ストレス発散や様々なモチベーションを高めるためには有効な手段なのだ。何事も極端になり過ぎることなく、美を保っていきたいものである。

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