今年のお正月は、梅が咲き2016年は春から始まったような年明けでしたが
このところ寒いですね。あたたかい が愛おしく感じます。
さて、2月は一年の節目の月です。
暦の上では春が始まります。
植物を見ると、春芽がそろそろ出始めています。
森にもふきのうとうが見えると、春がくるなぁという感じがします。
自然の恵みをいただくことは、命をいただくこと。
そう気づかせてくださったのは、佐藤初女さんでした。
先日ニュースお亡くなりになったことを知りました。
この世に、素晴らしい人がまたいなくなってしまったな、と思うと同時に
今生きている私たちがしっかり次の世代に伝えていかなくてはと感じています。
4年前でしたでしょうか、イスキアを訪ね初女さんとお会いした時のことを
少しみなさんに紹介したいと思います。

佐藤初女(さとうはつめ)さん
1921年青森県生まれ。19歳から3年間小学校の教員を務め、24歳で結婚。
以来、ガールスカウト運動に携わる。弘前学院短大家政科で染色の非常動講師を15年続け
その一方で老人ホームを訪問したり、自宅を開放して心を病んだ人々を受け入れるなど
ボランティア活動によって多くの人の支えとなる。初女さんを慕う人々の協力で、
1992年、岩木山の麓に憩いと安らぎの場「森のイスキア」が建てられた。
大自然の中に、心病める人の憩いの場をつくりたいという願いを実現させる。
映画「地球交誓曲第二番」で紹介され注目される。国際ソロプチスト女性ボランティア賞
第3回ミキ女性大賞、第48回東奥賞受賞
こころの森と優しいおむすび
「森のイスキア」本屋さんで「森」という文字に引かれ興味を持ちました。
佐藤初女さんという94歳のおばあちゃんが主宰する「森のイスキア」
ご縁があり4年前に伺ってきた時のお話しです。
初女さんの作るおむすびは人の心を癒すといいます。
・おにぎりではなく、人を結ぶおむすび
森のイスキアは悩みや問題を抱え込んだ人たちを受け入れ、痛みを分かち合う
癒しの場としてできたそうです。
素朴な素材でも心のこもったお食事は心の問題を解決し、からだも元気になると
初女さんは言います。

青森県は弘前の駅から車で30分ほど森へ進むと岩木山を目の前にイスキアがありました。
すぐ隣は世界遺産 白神山地の森が隣接していて歩いているといろいろな植物が生息していて
生物多様性という言葉がぴったりの森がありました。
親指の倍くらいの太さのあるフキや瑞々しいウド、元気に太陽に向かう
タラの木がたくさん生えています。


食べるいうこと
朝、目が覚めると、台所から懐かしく、美味しい香りがしました。
そこには初女さんと母親と同じくらいのお母さん達が一緒に朝食の準備をしていました。
小鉢には旬のお野菜が一つ一つ丁寧に料理され、
お茶碗には白いご飯とほんのり湯気の立つお味噌汁が並んでいます。
みんなで揃って手を合わせ「いただきます」と声を合わせました。

「食べることは命をいただくということです。」と話す初女さん。
料理の献立はその時に美味しく食べられる食材を使い、
食べたいものを作ります。産地や時期が異なれば、それぞれにあった食べ方で料理
をするのが一番美味しくできるのです。
そして手をつかい美味しく食べてもらえるよう丁寧に料理をします。
元気でいられる秘訣はなんですか。
そう質問をすると「ご飯を食べる事です」といい3食しっかりご飯を食べていました。
高級食材を使っている訳でもなく、変わった調理法を取り入れるわけでもなく、
一つ一つその食材と向い合い、丁寧に料理している姿を見ていたら
口に入れる一口一口に感謝の気持ちを感じました。
途中で箸を置き、お米を噛み締めながら、あー美味しいな、
いつもは空腹を満たす食事をしてしまっていたな、と反省の気持ちを覚えました。

生きること
初女さんの主宰する森のイスキア。悩みを持つ人を受け入れ、
自殺を思い止まる人もいるという。
初女さんは言いました。「将来や未来を考え不安が尽きないという人がとても多いです。
わたしも息子を亡くしとても悲しかったのですが、いつまでも悲しみ泣いている
毎日ではなく、今生きていることに感謝し今を生きる人を大切にしようと思ったのです」
イスキアを出発する日、別れ際に初女さんが私に下さった言葉は
「ともに悩みましょう」
いろいろな悩みを抱えていた私には
この言葉がとても深く胸に響き、自分が許された気持ちになりました。
大変大切な気持ちに気づかせていただきました。
自然に生きること
健康のために**を食べなければ、健康のために**をしなくては。
人間は自然の一部であり、自然の中で生きていた生き物です。
春夏秋冬があるように、喜び、悲しみ、怒り、不安など感情にも変化があるもの。
悲しいときは悲しみ、嬉しいときは喜ぶのが自然。
忙しない毎日ですが、そんな時こそ自然に目を向け、
手で丁寧に料理をし、感謝の気持ちを味わいながら
食事をとりたいものです。
佐藤初女さん、心よりご冥福をお祈りいたします。
FwithF小野なぎさ
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