
いつもお読みいただき、ありがとうございます。likeやコメントは大変励みになります。
2014年にブランド創立20周年を迎えたNARS。
20周年を記念して作られたのが、NARS オーデイシャスリップスティックです。
文字通り、大胆な発色を誇ります。テクスチャーはスーパーマットながら、滑らか。
各色は、ブランドのディレクター、フランソワ・ナーズがその人生においてインスピレーションを受けた女性の名前がついています。
その女性が誰なのか? 推測してみました。
あくまで、一個人の想像の範囲ですが、一緒にお楽しみいただければ幸いです。
なお、フランソワは、50代後半のフランス人男性です。
今回は第8弾。最終回を飾るミューズは誰?

Dominique = ドミニク・サンダ

ドミニクは、1948年フランス・パリ生まれ。裕福な家庭環境に反発し、16歳で結婚、2年後に離婚を経験しました。1968年のロベール・ブレッソン「やさしい女」で女優としてのスタートを切り、1970年に、ロシアの文豪ツルゲーネフの作品を映像化した、マクシミリアン・シェル「初恋」にて、主人公の青年を翻弄する女性を演じ、日本でも人気を博しました。
フランス人でありながらも、イタリア映画への出演が多く、中でも、ベルナルド・ベルトルッチ監督に重用され、同監督作「暗殺の森」と「1900年」は、彼女の代表作となっています。
2000年代に入っても、2000年のマチュー・カソヴィッツ「クリムゾン・リバー」、2015年のベルトラン・ボネロ「サンローラン」に出演するなど、長年にわたり活躍しています。
ドミニクの作品は、観たことがありません。しかし、写真集が発売されていたこともあり、写真を見る機会は多々ありました。
高貴でミステリアスな雰囲気、硬質な美貌の持ち主ですね。
フランス人女優に多いのが、「魔性の女」だと思うのですが、ブリジット・バルドーが陽なら、ドミニク・サンダは陰でしょうか。実際、「初恋」や「暗殺の森」で演じた役は、それを彷彿させます。

Silvia = シルビア・クリステル

1952年オランダ・ユトレヒト生まれのクリステルの代表作と言えば、何と言っても、1974年のジュスト・ジャカン「エマニエル夫人」でしょう。タイのバンコクで性愛に溺れる外交官妻を描いたこの映画は大ヒットし、その後、シリーズ化されました。
観たことがない方でも、アンニュイなテーマソングを耳にしたことがあるはずです。
口紅はSilvia、女優はSylviaと綴りは違います。が、NARSにて、2013年のギイ・ブルダンコレクションより、Goodbye Emmanuelle と名付けられたリップスティック9602が発売されていることから、Silviaをシルヴィア・クリステルだろうと推測しました。

Vivien = ヴィヴィアン・リー

この方の説明は不要かもしれません。映画史上の最高傑作として名高い、あの「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラを演じたのが、このイギリス人女優のヴィヴィアン・リーです。
アメリカン・フィルム・インスティチュートが選んだ「映画スターベスト100」の女優部門16位。
ヴィヴィアン・リーことヴィヴィアン・メアリー・ハートリーは、1913年に当時のイギリス領インド帝国・ダージリンに生を受けました。
母の家系にパルーシー(インドに住むイラン系ゾロアスター教徒。ロックバンド・クイーンのボーカルの故フレディ・マーキュリーもパルーシー)が混じっていると言われており、ヴィヴィアンのエキゾチックな美貌は、ここから来ているという説があります。
ロンドンの王立演劇学校へ入学しましたが、1932年に最初の結婚をし、学校を退学、翌年に長女を出産しました。
しかし、演技への情熱が消えることはなく、イギリスの名優ローレンス・オリビエと不倫関係を結び、彼を追ってハリウッドに来たところを、プロデューサーに見出され、1939年のヴィクター・フレミング「風と共に去りぬ」のヒロイン・スカーレットに大抜擢されました。
気性が激しく、わがままだけれど魅力的なスカーレットとその運命を描いたこの作品は、爆発的なヒットを記録し、今尚、その人気が衰えることはありません。
1940年のアカデミー賞では、作品賞を始めとする9部門を制し、ヴィヴィアンも主演女優賞を受賞しました。
他の代表作としては、1940年のマーヴィン・ルロイ「哀愁」や1951年のエリア・カザン「欲望という名の電車」が挙げられます。ヴィヴィアンは、「欲望という名の電車」で再びアカデミー主演女優賞を獲得しました。
好き嫌いは別として、「映画史上最高の美女を挙げよ」と言われたら、私は、迷わずヴィヴィアン・リーとエリザベス・テイラーと答えるでしょう。その証拠?に、2人ともクレオパトラを演じています。
私個人は、ヴィヴィアンが最高の美女だと思っており、エリザベス・テイラーより好きです。
強そうだけれど、どこか脆さを秘めたヴィヴィアンに惹かれます。
彼女の性格は、スカーレットさながらでしたが、その陰で双極性障害との壮絶な闘いがありました。
愛するローレンス・オリビエと結婚したものの、彼が遂に彼女の元から離れた時のヴィヴィアンの心情は如何許りだったでしょう。
1967年に波乱の生涯を閉じたヴィヴィアン。誰にも看取られることなく息を引き取ったヴィヴィアンですが、その眩い命の輝きは、永遠に消えることはないでしょう。

Sandra = サンドラ・ディー

1942年アメリカ・ニュージャージー州生まれ。両親は東欧系で、ロシア正教徒として育ちました。
代表作は、1959年のポール・ウェンドコス「ギジェット」。また、同年のデルマー・デイヴィス「避暑地の出来事」のテーマ曲「夏の日の出来事」のカバー曲は、インストゥルメンタルにもかかわらず、全米で9週連続第一位を記録する大ヒットとなりました。
この曲、私は大好きで、大ヒットを飛ばしたパーシー・フェイス・オーケストラ(イージーリスニングやムード音楽界の大御所)の演奏をスマホに入れています。
サンドラ・ディーは、どちらかと言えば「隣の女の子」的なキャラクターでしょうか。
当時の女優としては美人ではないけれど、どこか可愛くて愛嬌がある感じですね。
ちなみに、2004年公開のケヴィン・スペイシー「ビヨンド the シー 夢見るように歌えば」は、サンドラの夫である歌手ボビー・ダーリンの半生を描いた作品です。作中のサンドラをケイト・ボスワースが演じています。

Ingrid = イングリッド・バーグマン

アカデミー賞受賞回数3回、エミー賞(テレビ)は2回、さらに、トニー賞(演劇・ミュージカル)をも受賞した映画史上屈指の名女優。アメリカン・フィルム・インスティチュートが選ぶ「映画スターベスト100」において女優部門第4位。
その墓石に刻まれた通り、「人生の最後まで演技し続けた」のが、スウェーデン出身の女優イングリッド・バーグマンです。
1915年、スウェーデンのストックホルムにて、スウェーデン人の父とドイツ人の母との間に生まれたイングリッドは、前にご紹介したグレタ・ガルボの母校である王立ドラマ劇場附属の演劇学校へ奨学金を受け、入学しました。しかし、映画女優を目指して学校を退学後、幾つかのスウェーデン映画とドイツ映画に出演し、ハリウッドに招かれて、1939年のグレゴリー・ラトフ「別離」に出演しました。
この映画は大成功を収め、イングリッドは、この後、ハリウッドを代表する女優として、1942年のマイケル・カーティス「カサブランカ」、1943年のサム・ウッド「誰が為に鐘は鳴る」、1944年のジョージ・キューカー「ガス燈」、1946年のアルフレッド・ヒッチコック「汚名」と、飛ぶ鳥を落とす勢いでヒロインを務めました。
そして、「ガス燈」でアカデミー主演女優賞を獲得しました。
順調にキャリアを重ねたイングリッドですが、イタリアのネオレアリズモの巨匠ロベルト・ロッセリーニと不倫関係を結ぶことで、ハリウッドから半ば追放される事態になってしまいました。
ロッセリーニの作品に感動した彼女がロッセリーニに送った手紙がきっかけとなり、イングリッドは、ロッセリーニの作品「ストロンボリ/神の土地」に出演。それぞれ家庭を持つふたりは、恋に落ち、家庭を捨てて結婚します。
その後、ふたりは「イタリア旅行」、「不安」などでコンビを組みますが、結局、離婚しました。
再びハリウッドに迎えられたイングリッドは、1956年のアナトール・リトヴァク「追想」で2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。
1974年には、シドニー・ルメット「オリエント急行殺人事件」でアカデミー助演女優賞を受賞。
1982年には、「ゴルダと呼ばれた女」で実在のイスラエル女性首相ゴルダ・メイアを演じ、エミー賞を受賞。
1947年に演劇・ミュージカルの業績に対して贈られるトニー賞を受賞したことを含めると、実に多くの賞を獲得した女優であるといえます。
イングリッドは、ハリウッド的な人工美を嫌い、メイクアップアーティストに「そっとしてもらった」といいます。
誠実で真摯な人柄、飾らない、どこか素朴な美しさ。
そんな彼女は、修道女やジャンヌ・ダルクなどのいわゆる「聖女」を演じたことも相まって、アメリカ人の理想の女性像でした。
その彼女が、ロッセリーニとの不倫の恋で、彼女もまた「生身の女」であることを知ったアメリカ人は、その「裏切り」に耐えられなかったのかもしれません。
愚直なまでに自分に正直に生きた、ひたむきな女性であったイングリッドは、今もなお、人々に感動を与えてくれます。
ちなみに、娘は長年ランコムのイメージモデルを務めたイザベラ・ロッセリーニ、孫は、これまたランコムのイメージモデルであるエレットラ・ロッセリーニ・ヴィーデマンです。
さて、最後まで長ったらしい駄文をお読みくださり、本当にありがとうございました。
このシリーズ、本編は今回で終了ですが、「私的ミューズ押し女優」をご紹介する特別編を次回(&もしかしたら、その次も)ご用意しています。
よろしければ、今後もお付き合いくださいますように。
fukami0009さん
顔面観察家。
どどんさん
ひぐまあらいぐまこあらさん
顔面観察家。
どどんさん
AtIiさん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
美容で癒されたい人。
わきんぼうやさん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
AtIiさん
美容で癒されたい人。
わきんぼうやさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
アメリカ在住の働く日本人
ララランロロロンさん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
ばかりんがるエセレブすきにーびあっち
Emirinさん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
☆peony☆さん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
るぅ♪♪さん
顔面観察家。
どどんさん
RyanRyanさん
顔面観察家。
どどんさん
顔面観察家。
どどんさん
RyanRyanさん