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2014年にブランド創立20周年を迎えたNARS。
20周年を記念して作られたのが、NARS オーデイシャスリップスティックです。
文字通り、大胆な発色を誇ります。テクスチャーはスーパーマットながら、滑らか。
各色は、ブランドのディレクター、フランソワ・ナーズがその人生においてインスピレーションを受けた女性の名前がついています。
8回にわたり、全40色を彩るミューズ(あくまでも私個人の推測)を取り上げました。今回から(予定では)3回「新色を出すなら、是非この女優をミューズに」という、「特別編」をお届けします。なお、色は日本の伝統色に準えました。
今回はフランスの女優が登場します。

Isabelle = イザベル・アジャーニ

イザベル・アジャーニは、1955年フランス・パリで生まれました。フランスを代表する女優でありながら父はアルジェリア人、母はドイツ人と、意外にも異国の血が流れています。
1975年のフランソワ・トリュフォー「アデルの恋の物語」で文豪ビクトル・ユーゴーの次女アデルを熱演し、高い評価を得た後、1988年のブリュノ・ニュイッテン「カミーユ・クローデル」にて、ベルリン国際映画賞女優賞とセザール賞主演女優賞の二冠に輝きます。
その優れた演技力で、セザール賞主演女優賞を計5回受賞するという、前人未到の記録を打ち立てました。
正直、オーデイシャスリップスティックのミューズに何故アジャーニの名がなかったのか、不思議で仕方がありませんでした。
スキャンダルに関心がない国民性だというフランス人が、私生活に注目する唯一の有名人。それがイザベル・アジャーニだと言われています。本国フランスでは、断トツの人気を誇る女優です。少女の面影を引きずるコケティッシュな美貌が魅力的です。
愛するあまり、狂気に取り憑かれてしまう女性を演じさせたら、彼女の右に出る者はいないでしょう。アデル・ユーゴーもロダンの弟子だったカミーユ・クローデルもそうでした。
卒業旅行でパリへ行った時に、ロダン美術館へ立ち寄りましたが、そこで観た印象的な作品は全てカミーユの手によるものでした。名声はロダンの方が上かもしれません。しかし、心を打つ力は、圧倒的にカミーユが上だと感じました。カミーユはロダンとの愛憎の果てに統合失調症を患い、30年もの長い間精神病院で過ごし、孤独のうちに亡くなりましたが、美と愛を求める魂の輝きは、作品を通じて永遠に刻み込まれています。
「カミーユ・クローデル」は、皆さんに是非観ていただきたい作品のひとつです。
自らが演じる作品のヒロイン同様、アジャーニ本人も愛に生きる女性です。ブリュノ・ニュイッテンとダニエル・デイ= ルイスとの間にそれぞれ男児をもうけています。

Isabelle = イザベル・ユペール

こちらのイザベルは、1953年パリ生まれ。コンセルヴァトワールで演技を学び、セザール賞主演女優賞ノミネート回数は、史上最多の13回という実力派です。
カンヌ映画祭に縁があり、主演女優賞を2回受賞し、2006年にはカンヌ映画祭審査委員長を務めました。
イザベル・ユペールの代表作といえば、2001年のミヒャエル・ハネケ「ピアニスト」でしょう。
本作は、ラース・フォン・トリアー監督と並んで、後味悪い映画をつくる監督の筆頭に挙げられるハネケの問題作です。
ユペール演じる40歳を目前にした独身女性音楽教師エリカと過干渉な母親の、共依存とも言える関係、エリカの秘密である倒錯した性的願望、エリカに求愛する年下の美青年との歪んだ愛憎。一歩間違えれば、ただの変態映画になりそうな物語(いや、既に変態映画かも)をカンヌ映画祭審査委員グランプリ、女優賞、そして、男優賞の3つを受賞という傑作にまで高めたのは、ユペールの類稀なる演技力の賜物に他なりません。
当時48歳の彼女は、ほぼノーメイクでこの作品を演じたといいます。終始無表情なエリカが最後にとった行動と、その時の般若のような恐ろしい表情、この一瞬だけで作品を観た甲斐があると思わせる、素晴らしい演技でした。
是非観ていただきたい作品ではありますが、かなり好き嫌いが分かれる内容ですので、自己責任でお願いします(笑)。
私にとって、エリカは変態ではありますが、変態と突き放せないところがあります。毒親に育てられた訳でもない、普通の人生を歩んできた私ですが、どこか通じるものを感じます。それが何かと問われると、上手く答えられませんが、一歩道が違っていたら、第二のエリカになっていたかもしれないと思ったりします。
観客にこう思わせるユペールの演技力に脱帽です。また、どちらかというと色気を感じさせないところに親近感を抱いてしまいます。
正直なところ、アジャーニではなくユペール派です(笑)。

Anouk = アヌーク・エーメ

「ダバダ、ダバダバダ♪」のメロディが印象的な1966年の映画「男と女」。この作品でヒロインのアンヌを演じたのが、アヌーク・エーメです。
1932年フランス・パリでユダヤ系の両親の元に生まれました。
1958年にジャック・ベッケル監督の「モンパルナスの灯」で画家モディリアーニの妻ジャンヌを瑞々しく演じ、人気を得ました。その後、イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」と「8 1/2」に出演します。
しかし、代表作は何と言っても、クロード・ルルーシュ監督作品の「男と女」でしょう。
本作はカンヌ映画祭グランプリ(当時の最高の賞。現在のパルムドールに当たる)を獲得し、アヌークもゴールデングローブ賞主演女優賞と英国アカデミー賞最優秀外国女優賞の2つを受賞しました。
「男と女」でのアヌークは、女神です。
女性のあらゆる面における美しさを集約したのが、アヌーク=アンヌです。
断言します(笑)。彼女より魅力的な女性がいるなど考えられません。
「エレガンス」という言葉がこれ程似合う女性を、私は知りません。
彫りの深いクラシックな美貌に加えて、はにかむ表情、柔らかい笑顔。
私は恐らく異性愛者ですが、この彼女には、「惚れてまうやろー!」と叫んでしまいます(笑)。
アヌークは当時30代前半、現在の私は40代半ば。なのに、女性としての成熟度が全く違います。一生かかっても超えられない壁です。
言葉を尽くしても伝えられないことが多いので、是非ご覧になってみてください。
さて、最後まで長ったらしい駄文をお読みくださり、本当にありがとうございました。
実は、今回はヨーロッパの女優をご紹介する予定でしたが、語りたいことが多過ぎて、フランス以外の女優は次回に持ち越しとさせていただきました。
予定ではあと2回、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。
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