お花がある生活って、素敵ですよね。生きたお花はそれだけで私たちの心に潤いを与えてくれ、幸せな気持ちにしてくれます。
いつもの花瓶にざくっと飾るのもいいですが、たまには和のお花に仕上げてみませんか?
今回は、家庭でも使える生け花の基本『花の長さと生ける角度』について取り上げます。
*生け花にはいくつもお流派がありますが、ここでは、私が4年以上習っている松月堂古流の呼び方に沿ってご説明します。また基本花型も今回ご紹介する以外にもいくつか種類がありますので、機会があればまたご紹介します。
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生け花(盛花)は基本的に、一番長い『天』、二番目に長い『人』、一番短い『地』の3つの主軸と、それに沿う3つの副材で構成されます。(これは他のお流派で呼ばれているしん・そえ・たい、に当たります。)
それぞれの主軸となる花枝の長さは器の大きさから計算され、以下のような割合が基本とされています。"天"は器の長さの1.5倍に器の高さを加えた長さ、"人"はその3分の2に、"地"は"天"の半分の長さとなります。
実際にはお花を器の横に並べながら大まかに測定し、切り落とします。

これらの三本を切り終えたら、いよいよ生け始めますが、これにも基本となる角度があります。
”天”となる花枝はまっすぐ生けるので分かりやすいのですが、”人”となる花枝は手前に傾けながら45°横に傾けます(左右どちらでもかまいません)。そして”地”に当たる花枝はぐっと手前に、そして”人”と反対の方向に70°傾けます。下の図は、正面から見た角度と真上から見た角度です。

これをベースに、それぞれ天・人・地の半分の長さに切った副材となる花枝を内側に生け、根元に短い草花を剣山が隠れるように添えれば完成です。主軸となる花枝で立体感を出し、副材で季節感や色彩を表現します。
これらはあくまでも基本となるバランスのよい生け方で、どれかを省略して生けることもできます。むしろ、その方がメリハリが出てすっきりとした印象になることが多いです。
その場合は頭の中で基本の3つの柱の長さと向きをイメージしておくことが重要です。


西洋のフラワーアレンジメントと違い、生け花ではシンメトリー(左右対称)は好まれません。花と花の間に空間を持たせながら、主役となる花が生き生きと美しくみえるようにバランスよく生けましょう。
私の先生は毎回、”好きなように楽しんで生けなさい”とおっしゃいますが、生ける最中迷ったときは基本を思い出すようにしています。
ちょっとしたアレンジでいつもの花が自分の作品になるのも嬉しいですよね。
ぜひ皆さんも身近に生け花を楽しんでみてください。
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