お味噌汁を飲んでも出汁の香りも味噌の香りもわからず、塩の入った温水を啜っているかのよう。食事は得体のしれない塊を口に含んでいる感覚でした。
しかし先日、料理をしていたら、ふと出汁の香りに気が付きました。鼻水は相変わらずですが、嗅覚が戻ってきたんです。
めちゃくちゃ嬉しい。
そして嗅覚の回復に気づいた瞬間にとった行動。それは、醤油せんべいを食べることでした。
めっっちゃ美味しかった・・・、醤油の香り最高。
そしてこの数日間、食事を心から楽しんでいます。お米の香りってこんなに甘かったっけ?とか、煎茶の香りってこんなに繊細で華やかだったんだな、とか。生き直しているレベルで食生活が楽しいです。
そしてコスメも。

せっかくリニューアルしたのに、花粉症になって香りが楽しめないから封印していました。
お風呂に入り、ウッキウキしながらクリームを手のひらにとり、顔に伸ばし。
思わず「うわー・・・」って声が出ました。
前から好きでしたが、改めて好き。この匂いを嗅ぐと疲れが溶ける。顔面や体から緊張がほどけていく感覚がたまりません。
クリームという性状のせいか、ポプリでほのかに香るのとはまた違う、匂いの濃厚な感じがすごく贅沢に感じます。
綺麗なモノをみたり、美しい音楽を聴いたりすることでも癒やされますが、嗅覚はもっと原始的でダイレクトというか、私の実感としては味覚と同レベルの即効性で癒やしを与えてくれる気がします。
歳を重ねるごとに好きな香りが増えて、嗅覚(香り)に癒やされている、助けられていると感じることが増えました。
私の信仰心はたぶん薄い方で、時々寺社仏閣で手を合わせる程度でありますが、嗅覚という機能を生き物に与えてくれた神様に感謝です。
嗅覚回復のお礼と、そして願わくば、これからも私の鼻をお守りください、と近いうちに近所の神社にお参りしようかな。
困ったときにしか来えへん奴やな、とバチが当たりそうですが。
でも本当に嬉しい。ありがたや。