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文学という美容液・・・若き異才の煩悶

文学という美容液・・・若き異才の煩悶

どうも、しばらくぶりです。
ちょっと色々物思うことありまして、休んでました。
秋といえば、読書の秋ですね。
私が心酔する作家アルチュール・ランボー「地獄の季節」ご紹介しますね。
ちなみに翻訳は粟津則雄さんが、絶対にオススメであります!!!


この作品については言葉などいらず、ただ読んで感じると言いたいのですが・・
それでは書く意味が無いので、拙いですが書いてみますね。
これは詩集です、まさに芸術的な魂と 冴えわたる知性ほとばしる文学の結晶。
「意味などない、言葉通りだ」とは、この作家ランボーの名言。
それほど完成されつくしてる、また語るのが野暮なほど饒舌な言葉の集まりなのです。

魂が痛々しいほど露呈された文面もあれば、非常に理知的で数学的な部分もあります。
この対極性こそが彼の異才な理由、どちらも突き抜けて訴えるものがありますね。
泣き叫び、のたうち回り罵るような彼、冷たい哲学者のように宇宙を見据えた彼。
この二つが溶け合い、絡まる一瞬が奇跡です。
感覚という文学を築いたのが彼、アルチュール・ランボーなのです。
五感をまざまざと具現し、読み手に生々しい手応えを与える。
そんな彼の詩をいくつかご紹介しますね。まず軽快で明瞭な作品から・・・


*感覚

青い夏の夕暮れには、小道伝いに、麦にちくちく刺されながら細い道を踏みに行くんだ。
夢みながら、ひんやりとしたその冷たさを足もとに感じるんだ。
帽子もかぶらぬこの頭を吹く風に浸しておくんだ。

もう何もしゃべらない、もう何も考えない。ただ限りない愛だけが魂に沸いてくるんだ。
ぼくは行くんだ、うんと遠くへ、ジプシーみたいに。
自然のなかを、ーーーなんたる楽しさ、こいつはまるで女連れだ。



そして、私が好きな作品の一部を。長い散文詩を簡単に書くのでご勘弁を・・・


*一番高い塔の歌 (こちらは抜粋です)

やって来い、やって来い、われを忘れるような時。

おれはこんなにも我慢した、もう永久に忘れよう。
恐れもまた苦しみも、大空に向かって発った。
不健康な喉の渇きが、血管にかげを落とす。

やって来い、やって来い、われを忘れるような時。


*飢餓(こちらも抜粋)

見つかったぞ! 何がだ? 永遠。
太陽にとろけた 海。
おれの永遠の魂よ、おまえの願いを守れ。
孤独の夜だろうが、燃え上がる昼だろうが。

そうすりゃおまえは自由だぞ、世間の奴の同意からも、
声をあわせた逆上からも! 思いのままに飛んでゆく・・・・・・

ーーーけっして希望なんかない、昇天なんてものもない。
学問と辛抱だ、この責め苦は本物だ。

もう明日などありはしない、繻子のような熾火たち、
おまえたちの灼熱こそ、人のつとめだというものだ。

見つかったぞ! 
ーーー何がだ? ーーー永遠。
太陽にとろけた 
海。
ーーーー


まぁ、こんな感じです。比較的受け入れやすい詩をご紹介したつもりです。
本当は全部通して読めば、更なる難解さも納得いくのですよ。
言葉という名の音楽ともいえる彼の詩は、理解するのでなく感じるのです。
私の紹介で少しでも、彼の詩の素晴らしさが1ミリでも伝われば幸せですね。
ちなみにランボーの伝記映画についても、以前こちらで書きました。
「太陽と月に背いて」https://beautist.cosme.net/article/223388
とても文学性の高い作品で、作家の懊悩をリアルに表現してる映画です。


アルチュール・ランボーという純粋かつ刃物のような鋭い感性は永遠ですね。
若き天才詩人の煩悶と威厳に満ちた確信を、皆様も味わって欲しいです。
偉人の魂に触れる、そんな時間も感性を豊かにして美しさも深淵さが増しますよ・・・







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コメント(10件)

  • >すくなNEOさん いつもコメントありがとうございます。ランボーいいですよね。ホントに秋の夜長が文学的に過ごせますよ。おお、母音ですか・・なんと!私も大好きな詩ですよー気が合いますね☆私の持ってる翻訳だと深紅ではなく「緋の衣、吐かれた血」とあります、違いがあって面白いですね~^^

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    2012/10/26 14:07

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  • 秋の夜長にランボー!素敵ですね☆私はランボーの詩の中では、『母音』というものが好きでした。タイトル変わってますよね(笑)訳者さんによって違うかもしれません。抜粋すると「真紅。吐かれし血。改悛の陶酔か。はた、憤怒の中の美しき唇の哄笑」こんなに的確な「真紅」という色の表現を他に見た事はないです。

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    2012/10/25 04:45

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  • >わきんぼうやさん どうもコメントありがとうございます。おお、「太陽と月に背いて」観ましたかぁ^^素晴らしい映画ですよね。はい、そのランボーの詩は自由の息吹を感じる叙情的なものですね。映画も良かったですが詩の作品もオススメですよ。秋の夜長にお手元にどうぞー(^v^)/

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    2012/10/18 22:33

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  • 「太陽と月に背いて」観ました(*^_^*)♪ランボーの作品は読んだことがなかったのですが、ここで一致しました!もう何もしゃべらない、もう何も考えない。ただ限りない愛だけが魂に沸いてくるんだ。この一節とても響きました。ぜひ作品も読んでみたいです。すてきな情報ありがとうございます!

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    2012/10/18 09:57

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  • >青いかぼちゃさん いつもコメントありがとうございます。ふむ、気狂いピエロって映画ですよね?私は恥ずかしながら観てないので関連性が分からないので調べときます!そうですね、ランボーの詩は若さゆえの感性ですね。太陽と月に背いて、確かにヴェルレーヌ役は強烈でした。本当は女々しいだけでなく偉大な詩人なのにw

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    2012/10/15 15:23

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  • >inaoさん いつもコメントありがとうございます。そうなんですよ、海外文学は翻訳者にかかってるのです。でも、その違いを楽しんだり出来ますよね^^はい、詩なので原文が一番に決まってますが・・・私もフランス語は全然わからないので悲しいです。せめて英語だけでも、もう少し勉強しようかな^^;

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    2012/10/15 15:19

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  • >モリx2さん いつもコメントありがとうございます。おおお、素敵な動画教えて下さって嬉しいです。哀愁があって叙情的で素晴らしいですね。知らなかった動画なので、大変感謝します(>m<)

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    2012/10/15 15:16

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  • ランボオといえば私は気狂いピエロ、ゴダールですね。なんというか青い感じのする詩が多く、若い感性の詩だなとおもいます。太陽と月に背いてはランボオにいれあげたおっさんの末路が哀れでしたね。年だからかそっちに同情してしまう、青いかぼちゃです。

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    2012/10/15 04:35

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  • 海外の文学作品は翻訳する人の言葉のチョイスで作品が多少変わるので、それもまた楽しいな~なんて思ってしまいます(*^^)ですが、詩はダイレクトに伝わるものだったり、繊細な表現だったりで、一言一句に意味があるので「原作が読めるような語学力があれば…」と自分の勉強不足を後悔することもあります(-_-;)

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    2012/10/14 23:21

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  • ランボオの詩は勉強不足で読んだ事がないのですが、昔のサントリーのCMでランボオの世界観を表しているものがありました。良かったらどうぞ☆http://www.youtube.com/watch?v=YotCl8xcRtk&feature=player_detailpage

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    2012/10/14 22:02

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