ご当地コスメ本気斬り【第4回】長崎県 大村湾漁業協同組合 「黒なまこの石鹸」をお試し![@cosme NIPPON PROJECT]

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「あのコスメがスゴいらしい」「地元におもしろいコスメがある!」など@cosmeメンバーからのクチコミ&編集部に寄せられた情報をもとに、美容ライターふたりが“買って、ガチで試す”体験レポの第4弾。今回のコスメの生みの親は、長崎県大村湾の漁業協同組合。そして主成分は、驚きの“アノ生き物”です!

【第4回】長崎県 大村湾漁業協同組合 「黒なまこの石鹸」

宇野ナミコ/美容ライター
ライター歴23年。大学卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌やWEB、広告媒体で美容記事を執筆中。スキンケアやメイク、ヘアケアまで担当分野は幅広く、丹念な取材を元にした記事に定評がある。
@cosmeブログ

主成分は“黒なまこ”!誰が作ろうと思ったの!?

えーと私、人類で初めて「なまこ」を食べた人って、すごい勇気があったと思うんです。
もちろん、飽食の時代である現代と、狩猟採集が主体だった時代とでは、食事情もまったく違います。でもそれにしたって、見た目が“アレ”(=軽くエイリアン風味)ですもの。この得体の知れぬ生き物を“口に入れる”ときは、少なからず覚悟が必要だったはず…!

今回の石鹸に配合しているのは、何を隠そうこの「なまこ」。しかも普通のなまこではなく、長崎県大村湾の特産品である「黒なまこ」!こんな感じの生き物です↓

ううう…(←軽くのけぞる)。

食材としても好き嫌いが分かれるであろう、なまこ(なまこ好きの方や漁業関係者の皆様、ごめんなさい〜)。しかも写真の「黒なまこ」を、ですよ!“肌に塗る化粧品”にしようっていうんですから、大村湾漁協さんは何考えて…いやいや、実に大胆な決断だったと思うわけです。これはホントにそう思います。大手メーカーでは絶対できない。こういうところが“ご当地コスメ”のいいところであり、魅力ですよね。

製品の随所に“なまこ愛”あふれ過ぎです

さて、はるばる長崎から到着しました、黒なまこの石鹸。

段ボールに「黒なまこ」の文字がビシッと印字されていますね〜。開けてみると、中には石鹸本体と泡立てネット、パンフレットが入ってます。このパンフレットによると、大村湾沿岸は江戸時代からナマコを乾燥して加工し、中国に輸出していた歴史があるそう。大村湾産のなまこは身がやわらかいことで知られ、なかでも黒なまこは「黒いダイヤ」の異名を持つ特産品!滋養強壮作用に優れた高級食材として、珍重されているそうです。初めて知ることばかりに驚きながら、何気なく外箱をひっくり返してみると…?

全成分表示に、「マナマコエキス」の文字が! 

うおー、当たり前だけど、ちゃんと配合されてるんだなまこ!しかもフリーダイヤルの語呂が「417・705(=ヨイナ・ナマコ)」…って、不覚にも軽くツボっちゃいましたよ。外箱からしておもしろすぎる!

石鹸のフィルムをペリペリ剥がすと、見た目は黒くつややかですね。“高級石鹸”によくある感じで、使用感への期待が高まります。極めつけは、このコピー。

「まるで生クリームのように
 なめらかでキメ細かな泡立ちを、
 その手で、その肌で実感して下さい。」

あああもう、色んな意味で、期待と好奇心に胸がはちきれそう。“なまこ愛”あふれ過ぎですよ、大村湾漁協さん。使ってみたくてウズウズします。

水に濡らすと“黒光り”。ぬめっとした感触が…!

泡立てるために水を少し加えた時点で、早くもビックリ。
何というか“ぬめっ”とした、独特の手ざわりに変わるんです。手の上でつるつるすべって、落っこちそうになるくらい。石鹸ではありますが、ある種の“トロミ感”を感じるのが不思議です。

この写真を撮ってくれたアシスタントさん(=これが何でできているかは知らない)に渡してみると、「わー、しっとりしてますね♪これひょっとして、高級な石鹸ですか?」と、目をキラキラ。そーだよね、知らずに使ったらこの感触は印象的なはず。がしかし原料を知ってると、「ああ〜粘り気がなまこっぽい〜」と、心のスミで思わずにはいられない…!しかも水を加えると黒光りするところが、なんともはや“なまこ感”をかもしだします。

といいつつですよ、この“ぬめっと感”もしくは“トロミ感”、乾燥肌の方にとっては、ありがたい感触だと思います。洗顔石鹸には、固形の石鹸をそのまま肌にすべらせて洗うタイプのものがありますが、このなまこの石鹸もそんな使い方ができそう。カサつく肌には、まるでヒアルロン酸で洗っているかのような感覚を味わえるはず。皮脂を奪い過ぎず、洗い上がりもすべすべに整います。

ちなみに、風呂場に置いてあったなまこの石鹸を勝手に使ったウチの夫(=もちろん、これが何でできているかは知らない)。「新しい黒い石鹸すげえいいわ。ヒゲ剃りに最適」と。カミソリがスムーズにすべるうえに、洗い上がりがヒリヒリしないそう。はからずも、若い女子&男性にも好評だったわけで、家族での使用もオススメかもしれません。

なにこのねっとり泡! 粘度がクセになる〜♪

せっかく泡立てネットがついてるので、使ってみました。

水を加えて3回くらい、ネットの上で石鹸を転がすだけ。水が少なめだと弾力のある泡、多めだとゆるめの泡が、簡単に誕生します。そしてこの泡にも、“独特のねっとり感”を感じるのは私だけ…!?

糸を引くとまでは言わないけれど、ある種の粘度を感じるんですよね。泡ってホイップみたいなモチモチ系とか、空気を含んだふわふわ系とか、色んなタイプがありますが、“ねっとり系”は初めてかも。そしてこの泡で肌を包みながら洗顔するのが、本当に気持ち良い。洗い流したあとは、ソープ特有のサッパリ仕上げ。肌に必要なうるおいは保ちつつ、つっぱらないのも魅力です。

さすが“黒いダイヤ”、黒なまこあなどれません

そもそもこのなまこの石鹸、なまこ加工に従事する女性たちの「肌がつるつるになる」という声から始まったそうです(なまこの煮汁を持ち帰って、お風呂に入れたり洗顔に用いていたそう)。

そこで調査したところ、なまこにはセラミドが豊富に含まれていることが判明(ちなみに、なまこのぷるぷるした体表は、ほとんどコラーゲンでできているそうです)。「黒いダイヤ」、滋養強壮だけではなく、肌にも有益だったとは…!

個人的に何に感動したかというと、上記のような肌に対する効果を調査・研究したうえで、“黒なまこのキャラを立たせた”コスメを作り上げた、という点です。

ご当地コスメは、植物成分や温泉成分などが比較的ポピュラーな原料ですが、そんななか「なまこ」って言われたら、「エッ、何それ」って、興味を引かれるはず(色んな意味で)。まず興味を持ってもらうことってとても大切な(かつ難しい)ことですし、「なまこ=1度聞いたら忘れない」インパクトもあります。

しかも外見から使用感に至るまで、“黒なまこ”の世界観が確立されているのがスゴイ。コンセプトの構築は、大手化粧品会社でも苦心する部分ですから、大村湾漁協さん本当に英断でいらしたなあと、純粋に感動します。しかも実際に使ってみるとクオリティも高く、着実にファンを増やしていきそう。ご当地コスメならではの魅力が凝縮された黒なまこの石鹸。今回はホントに、心からオススメしたい1品です!

黒なまこの石鹸

大村湾漁業協同組合

価格 110g・2,380円

取材・文/宇野ナミコ
イラスト/あやまる

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