Chapter.2 “ニールワン”が化粧品に配合されるまで[@cosme NIPPON PROJECT]

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Chapter.2 “ニールワン”が化粧品に配合されるまで[@cosme NIPPON PROJECT]
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シワ発生のメカニズムを解き明かし、新成分ニールワンにたどり着いたポーラ研究チーム。ところが化粧品に配合する過程で、予想外の事態が発生します。

ニールワンを配合し“化粧品として完成させる”段階で、尽力したのが檜谷季宏さんです。

(フロンティア リサーチ センター 部長の檜谷季宏さん)

「日本の法律上、医薬部外品は未開封で3年間、安定な状態を保たなくてはいけません。最大の課題はニールワンは水に触れると、安定性を保つことが非常に困難だったことです」と、檜谷さん。スキンケアには“水”がつきもの。化粧水にもクリームにも水が配合されています。「いくつもサンプルを作って試しましたが、うまくいきませんでした」(檜谷さん)

そうこうしているうちに、時間は刻々と過ぎていきます。

「他の成分も検討したものの、この時点でニールワンを上回る成分は、なかなか見出せなかったんです」と、檜谷さん。とはいえ、どんなに優れた成分も、化粧品に配合できなくては、開発の意味がなくなってしまう。「効果が認められる他の成分で、製品化を優先する手もあったのでは?」と聞いてみると…?

「いやもう、それは当時、竹内に言いたい気持ちでしたよ」(檜谷さん)
「僕としては“こんなに良い成分なんだから、何とかしましょうよ”と」(竹内さん)
今でこそ笑顔で語るおふたりですが、当時は議論を戦わせたはず!?

「最終的に“僕も手伝いますから!”って押し切って(笑)それでまた、専門外の機器の使い方を1から覚えて、処方開発に協力することになったんです」と、竹内さん。

処方が完成するまでに、費やした年月はまたも3年…!

「この時代が“第3の暗黒時代”ですね」(竹内さん)
「間違いなく、暗黒時代だったね(笑)」(檜谷さん)

もちろん檜谷さんも、手をこまねいていたわけではありません。全国の大学や研究機関に助言を求め、あらゆる手を尽くします。

「ニールワンの詳細は明かせませんから“こういう性質の成分で、こういう製品はできるだろうか”と。しかしどこも“難しいだろう”という反応でした」(檜谷さん)

ニールワンの開発は社内でも極秘のプロジェクト。周囲の研究員からは「あいつら何年も、なにやってんの?」という空気が漂っていたそう。

「結果が出ないことで周囲からもプレッシャーがあり、“そろそろ諦めようか”という段階でした」(檜谷さん)

最後の望みをかけて、檜谷さんが訪れたのが、関西の研究機関です。

残念ながら、この研究機関でも前向きな回答は得られません。意気消沈して駅へと向かう帰り道、檜谷さんはプロジェクトマネージャーと「いよいよニールワンの化粧品は断念しようか」と話し合います。

がしかし…!帰路の途中でとったランチが、ニールワンの、そしてリンクルショットの運命を大きく変えることになるのです!

ランチのデザートは、“チョコミント”のアイスクリーム。何の変哲もないアイスを見た瞬間、檜谷さんはフッとひらめきます。「あ、この形なら、ニールワンを安定化できるんじゃないか?”と」(檜谷さん)。

アイスと化粧品とは、あまりにかけ離れている気がしますが…?

「たとえるなら、これまではアイスの中にチョコを“完全に溶かす”方法を模索していたんですね。そうじゃなくて、チョコミントアイスのように、“アイスの中にチョコチップを点在させる”形…つまり、ベースの中に、ニールワンをそのまま点在させる形なら、安定化できるんじゃないかと」(檜谷さん)

研究所に戻り、檜谷さんが真っ先に向かったのは、メイクアップ製品の開発チームでした。「メイク製品は、基本的にベースと粉体粒子を混ぜ合わせて作るため、ポーラに何か技術があるんじゃないかと思ったんです」と、檜谷さん。担当者の見解は、“今のままでは難しいけど、こうすればできるんじゃないか”というものでした。

「これまでどこに聞いてもダメだったなかで、“できるかもしれない”というひと言が、本当に嬉しかったですね…。“ああこれでようやく前に進める”と」(檜谷さん)

こうしてリンクルショットの開発は、メイク開発チームも巻き込んで、新たなステージへと進みます。

ニールワンの安定性を保ちつつ、心地良く使える処方を叶えるために、再び檜谷さんは数多のサンプル作りに取り組みます。

「完成までに作った処方は、安定性評価分も含めると1,000とか2,000とかのレベルじゃないでしょうか」(檜谷さん)

リンクルショットに配合しているのは、ニールワンのみ。他の有効成分は一切入れない、究極のシンプル処方です。そのぶん“有効成分の効果が問われてしまう”処方でもあります。
「竹内の研究でニールワンのシワへの効果には自信を持っていましたから、他の有効成分と組み合わせようとは、あまり考えませんでした。それより、シワ改善効果を十分に発揮でき、お客様が心地よく使っていただける処方を極めていった感じです」(檜谷さん)

試行錯誤の末、塗り心地が良く、フィット感にすぐれた処方がようやく完成します。そして今度は、人の肌でテストをするフェーズに。

「被験者も評価をするドクターも、どちらがニールワンを配合した化粧品かわからない状態で、左右の目尻に塗って頂きました。医薬品レベルの評価法で、信頼性の高いデータを取得しました」(檜谷さん)

2006年頃から申請データの蓄積を開始し、3年かけてシワ改善のさまざまなデータを手にしたポーラ。2009年いよいよ史上初となる“シワ分野での医薬部外品承認取得”に挑みます。

「行政もシワは初の分野ですから、審査官に1からシワのメカニズムやニールワンの働き、実験の意味をひとつひとつ説明していきました。疑問点が戻ってきて、またそれに回答する…この工程を8年間繰り返しました」(竹内さん)

開発7年、申請8年、聞けば聞くほど、本当に気の遠くなる話です。

「行政からの質問事項がどんどん少なくなるので、ひょっとしたら…?という予感がありました。その反面、長年これだけ苦労してますから、心のどこかで“承認が通るわけがない”って思ってる自分もいて。矛盾してますね(笑)」(竹内さん)

2016年7月――。15年の長い道のりが、ようやくひとつの到達点を迎えます。シワ改善作用が認められる成分として、ニールワンは日本で初めて、医薬部外品の承認を取得しました。

知らせを聞いたおふたりは、どんな気持ちだったのでしょう?

「最初はえっ本当?みたいな。感動より信じられない気持ちが大きかった」(檜谷さん)
「僕も同じです。その瞬間は、“あ、そうなんですか”みたいに」(竹内さん)

「あまりにこの15年が長すぎて!」と、口をそろえるおふたりですが、医薬部外品の承認証書見た時に、ようやく実感したといいます。

「ジワジワと…。そう、“ジワジワくる”感じですね。ああ、やっとここまできたんだと」(竹内さん)

上は今回特別に見せていただいた、医薬部外品の承認にあたり発行された証書。この証書のコピーは、研究室の壁に、今も大切に飾られているそうです。

さて、待望の承認がおりた瞬間から、ポーラ社内では発売に向けた制作が、猛スピードで始まります !次の章では、リンクルショットの“顔”であるボトル制作の秘密に迫ります。

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