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クチコミ12件中 3件目を表示

TigerEyeさん
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7購入品

2018/4/23 12:41:23

何年も前に、小分けでいただき、ずっと欲しかった香りをやっと手に入れました。
その場では購入できませんでしたが。フレグランスコンサルテーションで、選んでいただいた香りでもあります。


ほとんどシャネルのN°5と言っても過言でないほどによく似た香りです。
違いはトップのアルデハイドのスパークがN°5ほどではないこと、ミドルからラストにかけての変化がゲランのフレグランスらしいこと。
そして、決定的な違いは“密やかさ”。
N°5のような活発さや行動力、華やかさはリウにはありません。
あくまでも、密やかに、粛々と、優しく肌の上でジャスミンとアイリスが香り続けます。
オペラ『トゥーランドット』のリューのように。

余談ですが、ある事件からプッチーニは心に影を持ち、それを作品で昇華させることが多くなりました。
事件は嫉妬深いプッチーニの妻が、ある若い女中と浮気性の夫の不貞を疑ったことから始まりました。
妻は女中を家から追い出し、それでも飽き足らず、最終的に公衆の面前で女中を罵倒し、辱めたのです。
女中はその行為に耐えきれず、毒薬を飲んで自ら命を絶ちました。
女中の生前の希望により、検死が行われ、彼女の潔白が証明されます。
そのことにより、プッチーニの妻は、彼女への人権侵害や死に追いやった罪で裁かれることになりました。
自身の浮気癖、嫉妬深い妻を選んだこと(しかもこれすらも略奪愛)、それによって死に追いやられた信仰心の厚い清らかな乙女──。
プッチーニは『トゥーランドット』を完成させず道半ばで病により亡くなりますが、最期に書き残された一幕は、リューが愛するカラフ王子のために自らの体に刃を突き立てる場面でした。

3代目ジャック・ゲランは、この香りにどこまで、リューを重ねたのか分かりません。
単純にフローラル・アルデハイドブームに乗っただけ、とも考えられます。
ただ私はリウの香りを纏う度に、リュー、そして女中ドーリアに想いを馳せてしまうのです。
それは私が彼女たちと同じく、想いや信念を、密かに強く貫き通す質だからかもしれません。

穏やかで粛々としたパウダリー香の中、時折、強く香るジャスミンに秘めたる熱情を感じながら──。

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