- クチコミ 8件
- 注目人数 人
- 購入者のクチコミで絞り込む
クチコミ
メゾン フランシス クルジャンの代表作のアクアシリーズのなかで、このアクア セレスティア フォルテがもっともみずみずしく、最高傑作ではないかと感じている。
他のアクアシリーズは強いシトラスでみずみずしさを表現していたが、このセレスティアはシトラスに加えてグリーンやアロマティック感が強いため、もっともアクアらしい香りだ。
トップはシトラス-グリーン。非常にすっきりしたレモンライムと、冷たさのあるミントグリーンの香り。このグリーン感が、ライム特有の苦味のある果皮感に寄らずに、爽快感を際立たせているため、まるで弾けたようなシトラスグリーンの香りを楽しむことができる。
ミドルはグリーン-アロマティック-フローラル。トップの冷たいグリーンシトラスを残しつつ、シトラスの爽快感や酸味を合わせたようなペチグレンの存在感が増してくる。このプチグレンはイタリア産プチグレンビガラードとあり、名前のとおり、プチグレンの枝のようなウッディ感を削ぎとって、よりグリーン感を引き立たせた香り立ち。奥からはミモザやジャスミンのフローラルに、甘さの削ぎとったカシスのようなフルーティグリーンが添えられている。全体的なトーンは、爽やかなグリーンアロマティックを、すっきりとしたフローラルフルーティが底から押し上げているような印象で、コンセプトの「青い空と海を隔てる太陽のまばゆい輝き」という表現がしっくりくる。
ベースはムスキー。ミドルのアロマティックフローラルの酸味とムスクに、うっすらとドライなウッディアンバーの香り。このフローラルの酸味が、トップから連なる爽やかな印象をキープしている。実際に肌に合わせると、このトップの爽やかな印象が5〜6時間も持続する。すごいと思う。
フォルテの1年前に発売されたオードトワレも、かなりミントを効かせた涼しげな香りであるが「まるで月にかかる靄のよう」な淡い香りにしたため、ウォータリー感やパウダリーなミモザとムスクがそれぞれバラバラに感じられてしまう。ここまで淡い香りだと、なによりも香りとしてのキャラクター感に欠けるのでは。
満を持して発売されたフォルテは、冷たさのあるグリーンシトラスと、その印象を引き立たせるように何層にも厚みを持たせた香りに仕上げられている。これだけ涼しげで爽やかな香りでありながら、ミドル以降も涼しげな印象を崩さずに、弾けたように拡散する稀有な香りだ。
他のアクアシリーズは、トワレとフォルテの好みが割れると思われるが、このセレスティアについては好き嫌いのレベルを超えて、フォルテの方が作り込まれていると感じる。
日本の夏は暑い。暑さが身体にへばりついてくるようなじめっとした暑さだ。そんな時、セレスティアのフォルテは、涼しげな爽やかさとすっきりとした輝きを与えてくれる。
しかし、寒かったり乾燥している時期に使うと、シトラスやグリーンやアロマティック感が、冷たく鋭い空気を増幅してしまうためか、とても男っぽい香りになってしまう。まだ肌寒い今の季節ではなく、夏場にこそ活躍できる香りだと痛感する。
清々しい春の時間は短いのに、不快指数の高い梅雨から夏の期間は長い。春の終わりにげんなりするのではなく、特に不快な梅雨時の気温の高い日に、今年もアクアセレスティア フォルテをつけてみることを考えると、少しテンションが上がる。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
メゾン フランシス クルジャンについて
メーカー関係者の皆様へ
より多くの方に商品やブランドの魅力を伝えるために、情報掲載を希望されるメーカー様はぜひこちらをご覧ください。詳細はこちら