フレデリック マル / オー ドゥ マグノリア 口コミ

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Cookieyukiさん
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4購入品

2021/2/21 00:12:50

美しくしなやかでありながら強靭なフローラル。

男性にもよく似合うマグノリア。男性でフローラルが好きな人には積極的につけてほしい。フローラルに躊躇する男性は多いが。

偏見であることは分かっている。私も今までフローラルは儚く脆いものだと思っていた。事実、華奢なことが魅力になる女性用香水にフローラルが多い。だが本来香りそのものには性別はない。売る側が勝手にこれは女性の方が似合う人が多そうだから女性用、なんて具合に決めている。当然文化、時代背景によっても香りの性別は異なってくる。

いい例がイヴ・サンローラン のリブレ。日本ではユニセックス扱いだがアメリカでは女性用のディスプレイに陳列されている。厳つい欧米人男性に比べて日本人男性は線の細い人が多い。ムキムキな筋肉、胸毛、髭を男らしさの象徴をセックスアピールとして誇らしげに見せびらかす欧米男性にリブレは似合わないが、体毛が薄めであまりマッチョでない日本人男性にはしっくりきそうだ。奇しくもリブレもオードゥマグノリアもカルロスベナイム氏の作品。(リブレはアンフィリッポ氏との合作)

トップは鮮烈なレモン。絞ったときに水飛沫を飛び散らせながら広がるあのジューシーな香り。少し遅れてベルガモットの華麗さが追いかけてくる。クレジットにはないグレープフルーツと何らかのグリーンノートも感じる。柑橘類のトップは多くありきたりになりがちだが、ここまで印象的なトップは少ない。

マグノリアの香りに柑橘類のニュアンスがあることは知っている。けれどもこのままフローラル路線を無視して柑橘系コロン路線をゴールまで爆走するのではないかとビビるくらい思いっきったシトラスノート。花を期待していたんだけどまあ、いいか、洗練された超絶いい匂いだし。

1時間ほどして木の幹、枝、茎をも思わせるウッディノートが出現。その肉厚の葉をちぎった時のほんのりとした酸味と苦さをかんじる。土や草らしさはベチバーとパチュリだろう。二つの内ではベチバーが圧倒的に強い。

ほんのりとしたマグノリアの香りが顔を出す。まだ蕾がほんの少し開いたくらいで、鼻を近づけて初めてわかる爽やかで薄い香り。それがだんだん濃厚になってくる。辺りに香りを放出しながら花びらが一枚ずつ開いていくところを早送りで見ているよう。気がつくと沢山の大輪のマグノリアの花に囲まれていた。

ラストノートでオークモス、シダー、アンバーがマグノリアの軽やかさを支える。ナショナルジ◯グラフィックか何かの番組で今までマグノリアだけにフォーカスしていたが、周りにある自然もカメラアングルに入ってきたイメージ。

全体としてマグノリアを蕾から開花し散ってしまうまで描ききったような作品。常緑のしっかりした硬い葉、肉厚の白い花びらのニュアンスが油絵具で細かいところまで繊細に描かれている。これがジャンクロードエレナ氏だと水彩画のようなマグノリアになるところだが、このマグノリアは透明感のある油絵のようだ。

カルロスベナイム氏にはラルフローレンの作品が多い。そのせいかスーツに合いそうなクラシックで端正な作品の多いイメージの調香師だ。マグノリアはその甘く魅力的な芳香のために香水によく使われるが、彼が作るとデリケートでありながらも華やかさ、気品、力強さが前面に出る。その香りは初夏の蒸し暑さを一瞬で清麗な空気に変える鮮烈さを併せ持つ。

ラストではアンバーとオークモスがベース。フローラルのラストノートで使われる場合、他のアコードと混ざりきってぼやけた使い方をされることが多いアンバー。多分高品質のものを使っているのだろう、香りがかなり明確だ。この辺りが力強さの元になっている。

マグノリアの香りは薄れはするもののしっかりと最後まで残っている。咲き誇った花が一枚づつ花びらを落としていき、最後の一枚が散った。姿は見えずとも香りだけが花の形に残っているようだ。微風がその輪郭を少しずつほどき、香りが辺りにゆっくりと拡散していく。

オフでもオンでもユニセックスでつけられて、癒しと同時に良い意味での緊張感を与えてくれる魅惑のマグノリア。フローラルをビジネスシーンでつけようと思う男性は少ないかもしれない。でもここまで気品、繊細さ、力強さかねそろえたマグノリアだったらビジネススーツにもよく似合いそうだ。この手の香りを纏った欧米人ビジネスマンは意外にいる。日本人男性ビジネスマンの方々、是非お試しあれ。

トップノート: ベルガモット
ミドルノート: マグノリア、ベチバー、パチュリ
ラストノート: アンバー、オークモス、シダー


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