ランコム / イプノーズ オードゥ トワレ 口コミ

香りの博物館にて、こちらの元祖である「魔法」のボトルを見てきました。噂には聞いておりましたが、不安定な安定感のある、氷の柱を思わせる不思議な形は本当にそのまま。

「魔法」の方はクリアなボトルでしたが、こちらはクールな紫がかった印象で、より冷たい印象を与えているようです。

暖色系の丸いボトルを愛していますが、これはこれで素敵。
ボトルがフレグランスの魅力の大切な要素であることを再確認する、完成度の高いボトルです。

香りにかんして。
パッションフラワーとバニラの融合ということです。
たしかに不思議な香り。人により感じ方が千差万別なのもわかります。
私にはほどよい酸味と甘みで、トップが乳酸菌系飲料のように感じます。
甘さがどんどん出てくることを感じさせるトップなのに、さっと身をひるがえすかのように香りが変化し、甘さが消えて、強い酸味とスッと鼻に抜けるような男性的なウッディに。
そうかと思えば、ふとした時にまたあの乳酸菌。
バニラの甘さはまったく感じませんが、どこかにその甘さの片鱗を求めてしまうような、すごく不思議な香りです。
すぐ消えるようで意外と長持ち。ふとした瞬間よみがえる乳酸菌（笑）。
軸のない軽やかな香り。

こちらの香りを介すると、一見似ているような「魔性」と「ミステリアス」は実は相反する要素だと、そんなことにふと思いを馳せてしまいます。

「魔性」は、たとえば強いバニラみたいに人の心を操れる積極的なわかりやすい魅力であり、これにはまったらすごい引力により、逃れられず引き込まれて酔わされたり振り回されたりする、という構造ですが、
「ミステリアス」はなんだかよく正体がわからないから惹かれてしまい、でもその存在は実にそっけなかったり無関心だったり消極的だったりするため、結局自分からいってしまう、という構造。

確実に「ミステリアス」な香りです。
そんなに甘くないけど、甘さをもとめて、正体が知りたくて自分から行ってしまう感じ。
ミステリアスな女性に纏ってもらいたいです。

口八丁手八丁でなんぼ、という私には似つかわしくないと自覚していますが、ただ自分がこの香りに嵌りかけています。

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