マイケル コース / シアー マイケル オードゥパルファン 口コミ

「高価な空気」。…そんな印象です。
ギリギリまで薄めたチュベローズに、シトラスをこれでもかってほど絞り、各種スパイスを加えた感じ。もっと簡単に言うと高級・新オゾン系。下の方が書かれているように確かにロードゥイッセイをシアーにして品を加えたようにも思えるし（元々マイケル自体もイッセイに似た印象に感じられる時があるにはあるのですが…）、ビヨンドパラダイスから甘さを抜いたようにも思えます。「マイケル」を愛用していたので、どんなもんかと思ってオークションで投げ売り状態（新品が50mlで800円だよ…）だったのを買ってみたら、こんなもんだったんですね。

正直、最初は何じゃこりゃと思いましたよ。確かにマイケルをシアーにしたのには間違いないが、マイケルの良さまで損なわれたじゃん！とか怒ったりして。味が無いに等しい、というか、酸っぱい空気？というかそんな感じで。ある意味凄く不思議です。元々のマイケルのモロッコのお香、とかああいうエキゾチック感や、時折見せる濃密な色気は希薄になり、味も意味も無いのに「クラス感」（50ml800円のくせに）だけはある。この感じ。

でも、湿度と温度が上昇しつつある最近再び使ってみたら、予想外に良い感じでした。微妙に甘さも感じられたりして。ちょっとメロンっぽくもあり。オゾンといってもモワッとくる系じゃなく透明で。元々何故マイケルが好きか、と考えたら、チュベローズが使われているのにあまりタガが外れたように、これでもかゴージャス的には香らずにあくまでも気怠く包む、という抑制の効かせ方が上手いというのもあり…シアーの方は開放的なんですが何というか薄くて全くジャマになんないんですね。ただの空気「感」として漂います。

夏。昼下がり。高級リゾート施設の大きなプール。デッキチェア。テーブルの上の装飾だけは派手なカクテル。ゴシップと引用に満ちた中身の無い会話とマダムの贅肉。サングラス越しの太陽。いきなり飛び込む誰か、水しぶき。悲鳴。そして誰もが死ぬほど退屈…そんなイメージです。プール上空、浮ついてるのに冷めきった、うんざりする程スノッブな空気。無意味ではありますが嫌いじゃないです。

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