ディオール / ファーレンハイト オードゥ トワレ 口コミ

はるか昔の高校生のときに、ディオールのカウンターで1度だけ嗅いだファーレンハイトが忘れられず…強烈に男っぽいというか、いわゆる床屋臭系でありながら、おじさんではなく自分よりちょっとお兄さんの20代男性のイメージでした。それもスーツ姿のダークなイメージの人ね。当時親父のアウスレーゼ以外に初めて触れたメンズだったので必要以上に男っぽさを感じたのかも。
しかし幸か不幸かただの一度もこれを纏った人に出逢ったことがありません。いや、駅とかで香ってきたことはあるんですが、どの人からだか分からないし（笑）
私にとっては幻の香り。
それから30年、改めて嗅いでみたら…トップは確かに瓜っぽい、青緑のイメージでメンズ独特の床屋っぽさはある…それが飛ぶと、男物独特の色気の中にお香のような白檀の香りが出てきます。
新車とかタクシーとかタイヤとかガソリンとか、皆さん表現が面白いけど、確かに言われてみれば分かる要素があります。特にトップの、アルコールの刺激臭が混ざっている時点では。このクルマっぽさが女性がつけて似合わない所以かも。私は湿布っぽさを感じましたが、これめっちゃ癖になる…。湿布ってこんな匂いしたかな？とも思いつつ、他のどの香水とも被らないのに何故か懐かしいような、中毒性のある香り。
ミドル以降に出る白檀由来の静けさは、冷ややかなような、それでいて非常に寛容で優しい男性を連想させるような。レディース ものの白檀の上品な優しさとは違う、削りたての鉛筆のようでもあるウッド本来のスパイシーで尖った粉っぽさです。
ラストは例の湿布っぽさをどこか残して、消えると思いきやムスクが出てきてセクシーな男の香りが結構長い時間残ります。
このムスクが、イイ感じにファーレンハイトの個性を包んで香ります。私の肌だと、ムスクって消毒薬みたいな感じになっちゃうことが多いんですが、これはそれがないムスクでした。バランスがいいんでしょうね。

そんなファーレンハイトに私がイメージするのはドクター・キリコ。
手塚マンガ「ブラック・ジャック」に登場する安楽死の専門医で、長い髪とアイパッチが特徴の、ミステリアスでクールで個性的かつセクシーな成熟した男性。年齢設定もブラック・ジャックより歳上の40歳だそうで、背も高く痩せ型で私服は黒いスーツにアスコットタイがトレードマーク。
自分の仕事にプライドと信条を持ち隠れた優しい一面もあるオトナの男性なのでイメージ的にもファーレンハイトのコンセプトと重なるのですが、私はロン毛フェチなのでかどうも性的魅力を感じ、その辺がこの香りの男性ならではのセクシーさと合ってる気がしてなりません。それもスーツや白衣に包んでいるからこその「エロ気」であり、白檀の醸す中性的なムードが長髪によく似合う。
実在の人物なら、吉井和哉さん愛用だとか…後から知ってああなるほどねと納得。ぺ…は正直似合ってるかどうかよく分かりません。

原作ブラックジャックのキリコでイメージが難しかったら、トリビュート作品である「Dr.キリコ　白い死神」を読んで（画像検索でもいいですが）頂くとホントにファーレンハイトが匂い立つような色気を感じられると思います。
ああ、白檀→お香→法事、を連想させるから、黒いスーツをまとう死への誘い手であるキリコを連想したのかしら。それとも静かでクールな色気、しつこくまとわりつかない優しさに、彼の諦めの速い性格が重なったんだろうか。元軍医だからトップのワイルドさも合ってるし。

お花や白檀も使っているのに私の肌ではあまり甘いという感覚はなく、運転手稼業をやっている今なら抵抗なく自分がまとえるかも知れません。
というわけで、最近鼻バカにならない程度にローテーションしてます。この香りに鼻バカになってつけ過ぎは確かにマズい。まぁ、人と接近せず車で過ごすので普段から香害をあまり意識してませんが。
10mlのサンプル瓶入手だったので、フルボトル買います。

使用した商品

• サンプル・テスター
• 購入品