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クチコミ
「非凡な人々」という副題から、「私、他人とは違うのよ。セレブなの。下界の方々と一緒にしないでくださる?オホホホホ。」なんて高飛車な香りがするのではないかと恐れていた。
つけてみると安心して日常使い出来そうな、お洒落だけど親しみやすい感じ。ブランドのコンセプトからして、もっと奇をてらった、つけられるかつけられないかの綱渡りなセンスの香りかなと思った。しかしそんなマイナスな期待はいい意味で裏切られた。日本人だったら好きな人が多そう。かといって没個性的ではない。拡散性も低いし、ちょっとつけすぎても香害になりにくそう。春夏、蒸し暑く感じる日にもつけられる数少ない香水。
トップはグレープフルーツと弾けるシャンペンからアルコールを差し引いたもの。グレープフルーツの新鮮な果実、果汁というよりは酸味の少ない皮の匂い。カクテルに風味をつけるために、小さく切ったグレープフルーツの皮を一捻りして、そこから出てきたオイルを振りかけることがあるが、そんな感じ。完成していた味が変わるので果汁を足すのを避けたい時でも、その方法なら香りだけが加わる。
そこにスパイスの女王と呼ばれるカルダモンが加わって包み込むような柔らかい香りに。アイスクリームを手作りしている時にバニラビーンズを切らしていて、代用品を探していたところカルダモンの瓶を発見。代わりに入れてみたら、一味違う甘い香りがとても美味しそうに。すっかり気に入ってバニラの代わりにカルダモンを使うことが多くなった。そういえばインドのアイスクリーム、クルフィはバニラの代わりにカルダモンが効いていたな。熱い気候でバニラだとむさ苦しくなりそうなところも、カルダモンだとほんのり苦く僅かにスパイシーでキレのある爽やかな甘さが出る。
ミドルはジャスミンとブラックペッパーのよくある組み合わせ。人工感が無くわざとらしくもないので本物の良質な香料だと思う。ブラックペッパーが上手にお色気ムンムンになりがちなジャスミンを引き締めている。
でも、カレーリーフって何よ?
調べたところ南インドでカレー料理に入れて味と香りに深みを出す、カレー粉に柑橘系が合わさったような香りの葉っぱとか。大体カレー粉そのものが色々なスパイスのミックスなので複雑な香りであるのは間違いない。
インド人の友達が南インドのシャバシャバの本格的カレーを作ってくれた時に、カレーリーフがないとお袋の味にならないと大騒ぎ、結局手に入らず代用品としてライムを絞ってたのを思い出した。生の葉を数枚鍋に入れるだけで認知できるほどで、ほんの少ししか入っていないようだ。
ラストノートはサンダルウッドが入っているせいか、人肌を思わせる柔らかなウッディな香り。ムスクベースではなさそうなので、クレジットを見てみるとラブダナムとロレノックスだそうだ。どちらもあまり馴染みがないので調べてみると、ラブダナムは樹脂プラスムスク調、又はアンバーグリスに似ているとも言われる香り、人工香料のロレノックスはウッディアンバー調でレザーのニュアンスの複雑な香りだとか。
ラブダナムの葉や小枝から天然ガムも取れるようだ。遠い昔、チューイングガムは天然ガムからできていたので、この香水にバブルガム感があるのはラブダナムのせいかも。精油の摂取方法も簡単らしく、聖書の書かれた頃、いやそれ以前から香料、薬として愛用されているとか。
全体として爽やかでかつ甘い。ユニセックスだが女性より。トップからミドルにかけての印象は、どことなくコンビニで夏限定販売しそうな高級バブルガムにありそうな香り。つけているうちにバブルガム味のシャンペンとシャンペン味のバブルガムどっちがいい?と聞かれている気分に。一昔前に流行った究極の選択みたいだ。そんな質問をする人に「つべこべ言わずに、シャンペン味のバブルガムをバブルガム味のシャンペンに投入してよ。」と強引に頼みたい。絶対美味しいし楽しい。まさか混ぜるな危険じゃないでしょう。メントスコーラのような強烈な起爆力はなさそうだし。
リマーカブルピープルは非凡な人々だけでなく、非凡でない人々も安心してつけられる。ただ残念なことに、体温低めの私が乾いた気候でつけて2、3時間と持ちが非常に悪い。バシャバシャつけようと思ったら、非凡な収入が必要かも。
トップノート: グレープフルーツ、シャンペン、カルダモン
ミドルノート: ジャスミン、ブラックペッパー、カレーツリー
ラストノート: ラブダナム、サンダルウッド、ロレノックス
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