MONTALE（モンタル） / ブラック・ウード 口コミ

BLACK AOUD「黒い沈香」は名前と反している香水だ。
BLACK ROSE , DARK ROSE　あたりが妥当な名前のような気がする。
深紅の薔薇が沈香とパチュリを引き連れているような香りだからだ。
あくまでもメインアコードは薔薇。それを引き立てるのがウード（沈香）やパチュリの暗く、沈み込むような重い匂い。
例えば薔薇が低くてちょっとハスキーな大人な女性ボーカルならば、沈香とパチュリはうねるように重く響くベース的立ち位置。

モンタル公式サイトでは、香りの構成は
薔薇、インドネシア産パチュリ、フランス産ラブダナム、マンダリンオレンジ、ムスク、貴重なカンボジア産ウード。

普通に考えたら、トップはマンダリンオレンジ。ミドルは薔薇、パチュリ。ドライダウンはラブダナム、ムスク、ウードあたりだろうか。体温・気温・湿度などで香りの立ち方が違う。基本的に重たく、暗く、濃厚な香り。一応メンズらしいが、ユニセックス系フェミニン寄り。

海外から取り寄せた時に、箱を開けたら「ちょっとグリーン系でヒンヤリした白檀」的な匂いがした。原因はおそらく飛行機内の気圧変動のせいだと思うが、スプレーから少し香水が漏れて、付属の巾着袋に匂いが染みついてしまっていたから。モンタルの香水の特徴である高出力＆高持続のなせる技だが、手元に届いて1週間は経つのに巾着にはまだ匂いが残っている。

プシュっとスプレーした途端、一気にすべての匂いが拡散する。これにはビックリする。
海外レビュアーが良く表現する「nuclear bomb（核爆弾）」的威力。
苦みのあるグリーン系の匂いはオレンジの皮を押しつぶした時に感じる酸味とエグみに、パチュリとラブダナムの青臭さと土臭さの混ざった匂いだろう。薄甘く僅かに樟脳を思わせるひんやりした匂いはウードと記載がないが樹脂系も混ざっているかも。薔薇はポプリオイルの様に濃縮されて甘い。僅かに獣臭いのはラブダナムとムスク辺り。鼻を近づけると燻した煙の匂いが微かにするが、ぶすぶすと煙立つほどではない。

30分程で香りの炸裂は落ち着くが、この辺りはっきりと好き嫌いが分かれるかもしれない。

私の場合、手首よりもウエストや内腿の体温が高く、服で隠れてしまう部分につける方が薔薇をメインにした甘くて重い匂いが立つ。こちらが私の好みである。寝る前につけるのもいい。
手首につけると沈香やウッディ系が主張してきて、ややマスキュリンな匂いになる。
２〜３プッシュで充分。それ以上つける必要はない。

モンタルの香水容器はフルアルミボディで、キャップはなく、手榴弾のような安全ピン兼チャームがネック部分に噛ましてある。ピンを横に引き抜いてスプレーヘッドを押して使うスタイルは知らない人にはなじみがないかもしれない。

BLACK AOUDという名前とメンズラインということで、男性が購入することが多いようだが、名前に反して甘く重く薔薇が主張してくるので「男の自分がつけるにはちょっと華やかで甘い！」という意見が海外香水レビューサイトに多い。
MONTALE AOUD SERIESはウードと冠していながらもほぼ薔薇メインなので、あまり男性女性の枠に拘らない方がいいかもしれない。

個性的なオリエンタル・フローラル・レジン系の匂いで、香り立ちも強く、かなり持続力もあるので、季節ならば秋・冬、女性なら昼夜どちらでも、男性は夜の方が使いやすいと思う。

お試しにチューブサンプルから入ることをお勧めする。

もしこちらの"BLACK AOUD"の主張が強すぎる！という場合は、姉妹ブランドのMANCERAが出している "WILD ROSE AOUD"が同じ系統でややマイルド＆フェミニン路線なので、こちらを試してみてもよいかもしれない。

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