Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン) / メランコリー シスル コロン 口コミ

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(^・ェ・^)旦さん
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6購入品

2023/11/2 23:59:27

スコットランドの国花、アザミの紫色。
イングリッシュ・アイビーの鮮やかな緑に、明るい山吹色のエニシダ。
水面の揺らぎまで美しいそれは、まるで深い緑に囲まれたデンマークの小川に浮かぶオフィーリアと、その最期に手にしていた花冠を思わせるような、芸術的なペイントのボトルだ。
憂鬱なアザミという名の「メランコリーシスル」は私の中で、ジョン・エヴァレット・ミレイの描いた『オフィーリア』の概念香水にぴたりと当てはまった。

トップは爽やかで甘い、ラムネのような清涼感から始まる。
少し尖ったハーブのツンとした香りが、アザミの鋭い棘を思わせる。
朝露に濡れた草花の、透明感のある、静かでしっとりとした香り。徐々に棘が消えて丸くなり、うっとりするようなアロマティックな香りへ。
気が塞ぎがちな雨降りにぴったりの、水辺の草花、といった雰囲気の香水だ。

トップノート:アザミ、エニシダ。
ハートノート:イングリッシュ・アイビー。
ベースノート:クールウッド、パチュリ。

イメージとしては、つんと伸びたアザミの花に合わせていたピントが、徐々にアザミの咲く野趣溢れる丘へ、そうして最後にイギリスの古城周辺の景色へとパンフォーカスで撮影される感じ。水辺の植物というだけでなく土や石の冷たさも感じる。
綺麗なだけではない、アンニュイな雰囲気のある香りでお洒落。
トップはピリッとしているがミドル以降は寝香水にも良し。4種のうち一番好きな香りだ。

ユニセックス系の香りを探している方。
ウッディ、アロマティック系で、優しい香りや香水らしくない香水をお探しの方、ウッドセージ&シーソルトやフォレストモスが好きな人にはおすすめの香りかと。
両者に比べると主張は強め、甘さは控えめで、緊張感もほんの少々。
落ち着いた綺麗な香りで透明感のある女性になれるが、ワイルドアキレアのような人懐っこいタイプではなく、気軽に手を出せない雰囲気の、深窓の令嬢タイプといったところか。

さて、オフィーリアの花冠には12種類の花が使われていることをご存知だろうか。残念ながらそこにアザミの名前はない。
その一方で、アザミやエニシダ、アイビーの花言葉はなかなか興味深いものがある。

アザミの花言葉:独立、報復、厳格、高潔、私に触れないで。
エニシダの花言葉:謙遜、卑下、清楚、清潔、豊穣、はかない恋。
アイビーの花言葉:友情、誠実、不滅、結婚、永遠の愛、死んでも離れない。

また彼女が浮かぶデンマークの小川は、実際にはロンドン郊外にあるホッグズミル川の川辺で描かれたもの。あれはイギリスの情景なのだ。
愛するハムレットとの恋に敗れ、彼の復讐劇に巻き込まれた父親は誤って刺し殺され、徐々に正気を失っていくオフィーリア。
花環もろとも川に落ち、水面を漂いながら唄を口ずさむ。迫る死にも気付かぬまま、やがて水底へと沈んでいく。
美しいボトルにその影を見て、少しぞくりとする。

夏目漱石の「草枕」でも、流れる有様は美的に相違ない、とある。
水も滴るいい女ならぬ、水の滴る草花のえも言われぬ良い香りをその身に纏わせるいい女、になれる香り。
今年の夏コレクションも素晴らしかった。気になる方はお早めにどうぞ。

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