3336views

幻の香り、「信長の夢」

幻の香り、「信長の夢」

「信長の野望」というゲームソフトがありましたが。

今回話題にするのは、「信長の夢」という名前のフレグランスです。メーカーはfincaという処。
なんで幻かというと、確かに手に入りにくくもなってますが、、この@コスメにも載ってないけど確かに名香だからです。


独特過ぎて、確かにつける人・TPOを選ぶ香りだし、現代人から香っていて果たしてどうなのかっていう個性的過ぎる香りでもあります。
強いて言えば、いろんなフレグランスのレビューに散見される、「お寺の匂い」「おばあちゃんの家の匂い」「線香の匂い」そんな表現に表される香りの要素の集大成だから。

要するに白檀や伽羅が主張していてものすごく抹香臭い、「寺系」の極致。

名前からしてメンズなんだけど、じゃあどんな男性が身にまとうのが相応しいの?っていうのがすごく難しい。寺っぽいからってお坊さんがつけるのも違う気がするし。

でも、現代に生きる男性が、かつて「うつけ者」と呼ばれた織田信長のように個性を主張したければ、逆に今この時代にこんな香りを使いこなせる男でなくてはならない。
そういうことなのかな。

トップ、ミドル、ラストと香りの変化はあるものの、一貫して白檀や伽羅の粉っぽさ、お寺っぽさは出ています。
延暦寺という寺を坊主もろとも焼き払い、そして自身もまた本能寺という寺で焔に包まれ絶命した信長へのオマージュなのか?それとも彼が舞った「人間50年 下天のうちをくらぶれば 夢幻の如くなり」というある種悟れた人間の境地を表現したものなのか。「信長の夢」だからその解釈が正しいか…。ではこれは晩年の信長のイメージ?
織田信長という人物をどう捉えているか、それによって香りへの解釈も変わってきてしまうかも知れませんね。

トップからミドルはそれらのお寺っぽさにシトラスやグリーンの苦み走った爽やかさが加わった感じ、ラストにかけてはバニラが出てきて白檀が残り、お寺の抹香臭さやレトロなパウダリーになんとも言えない甘さが加わった独特さ。香ばしい感じでもあるのが、焔の人信長というイメージの表現なのかも。
これまた、文章で表現するとゲランのシャリマーやルールブルーみたいと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、あれとはまた全く違う香りなんです。メンズだから、レディースだから、っていう次元の違いじゃない。
香りが個性的な割りに持ちはあまり良くなく、割とすぐラストに向かってバニラの甘さにシフトして行くので、それが唯一着けやすい点。

うーん、でも、これ、信長と言うより…。

もっと合ってるなと思うのが、NHK歴史大河ドラマで中井貴一さんが主演の「武田信玄」に好敵手として出てきた、柴田恭兵さん演じた上杉謙信。
一心不乱に、自国の民の豊かさのためにいくさに勝とうと経文を唱え続ける謙信の姿に、この香りのお寺っぽさ…つまり日本人が思うところの信仰心が非常にだぶる気がします。
少なくとも気に入らなければ誰かれ構わず斬り捨てちゃう人のイメージではない気が。

この香りのバランスがもっとアニマリックなフローラルになれば風流をたしなむ一方闘争本能の強い前田慶次郎の感じ、シトラスやウッディが強いセクシーな男らしさになると知将で硬派の直江兼続になるのかな…なんて、勝手に妄想!
まぁ、それ、大河ドラマや歴史マンガの読み過ぎで勝手なイメージ持ってるだけなんですが…。

時代が全く違うので反則ですが、モロにこの香りのイメージの人というと、私が思いつくのは聖徳太子です。
法隆寺やら四天王寺やら作って仏教広めた人だから抹香臭い、というのではなくて、山岸涼子さんのマンガ「日出処天子」の厩戸皇子そのものの感じだからです。
ご存知の方がどれくらいいらっしゃるか分かりませんが、聖徳太子は若いころエスパーでゲイだったっていう設定(言い方が下世話ですみません)の、歴史ものでもBLものでもある名作マンガで、講談社賞を受賞したり某有名漫画家がパクり作品を描いたり、奈良では聖徳太子のイメージを汚した云々と騒がれた噂が出たり、何しろ伝説のマンガです。
ルックスもかつての万札の下膨れな髭ヅラではなく、Gacktさんみたいなヴィジュアル系に描かれてます。


あのマンガの、中性的な孤高の天才、妖しげな美しさで男も女も惑わせ超能力(霊能力?)さえあった冷酷な知将「厩戸皇子」…まさにそれ。
仏教的な複雑なお香の香りに絡む、知的だけれど儚げで若々しいトップの爽やかさ。叶わぬ恋に傷つきつつ最後まで母の愛を求めた数奇で痛いたしい美しさが、白檀の神々しさに見え隠れするラストのバニラの甘さのような…。

さっきからゲイだのバイだの言ってますがこれ、つまりユニセックスで充分イケる香りですよ。
白檀や伽羅が寺っぽいけど、スパイシーウッディな感じじゃなくてパウダリーで甘いので…。
ギフト用は桐箱入りで倍の値段するみたいですが、女性がフォーマルな着物のときにつけるのが無難かなあという気もします(u_u)

ちなみに若い頃は仕事にアランドロンのShogunやブルガリのプールオムをつけて行ってまして、もっとひねったユニセックス?メンズは無いかなあと思って探し出したのでした。
普段の仕事にはつけていけない香りだけれど、私的にはアリでして、寝香水や創作活動(お絵描きやアクセ自作)のときに気に入ってつけてます。










このブログに関連付けられたワード

このブログを通報する

コメント(4件)

  • 私はご紹介された香りは着流しの似合う
    人につけてもらいたいなぁと思いました。
    なかなかそんな人はいないけど(爆)

    0/500

    • 更新する

    2016/7/16 18:01

    0/500

    • 返信する

    そうですね、着流しの似合う人は・・・俳優さんで言ったら渡辺謙さんかしら?
    前に浪人で探偵&私立刑事みたいな役をTVドラマでやってましたが、長身に着流しで本当に似合ってました(^^)

    0/500

    • 更新する

    2016/7/17 09:48
  • 女性でトラック運転なんて
    かっこいいですね♪そんな方がゲランの
    香りとかつけててほわっと薫ったりしたら
    男性はイチコロかも。そしてご紹介された
    香り。寺系の香り。しかも日出処のは
    私も好きなマンガだったのと香りの説明
    だけで何となくうっとりしちゃう
    香りなんだなぁと思いました。

    0/500

    • 更新する

    2016/7/16 17:55

    0/500

    • 返信する

    RyanRyanさん、こんにちは!
    コメントありがとうございます!
    RyanRyanさんも「日出処天子」お好きでしたか!
    これは下品さの全くない、中性的で日本的な寺系なんでまさに厩戸皇子の感じがしました。

    0/500

    • 更新する

    2016/7/17 09:44
  • マドレーヌ#さん、コメントありがとうございます!
    そうそうこの肖像画私も見たことあります。
    カッコいいですよねー信長!
    余談ですが伊達政宗歴史館に政宗の遺骨から復元されたデスマスクモデルもあり、それもかなりイケメンおじさまです(笑)

    0/500

    • 更新する

    2016/7/16 10:21

    0/500

    • 返信する

  • dutroさんの文を読んでたらこの肖像画を想像しましたよ。
    http://www.shouzou.com/mag/p2.html
    教科書に載ってたヤツじゃなくって、亡くなって直ぐに宣教師が描いて織田家に伝わったものだそうです。一番似ているといわれてるらしいですがメッチャイケメンですよね。

    0/500

    • 更新する

    2016/7/16 09:22

    0/500

    • 返信する

フレグランス カテゴリの最新ブログ

フレグランスのブログをもっとみる

投稿ブログランキング

投稿ブログランキングをみる

編集部イチオシ!

HOTタグ

ブランドファンクラブ限定プレゼント

【毎月 1・9・17・24日 開催!】

(応募受付:5/24~5/31)

プレゼントをもっとみる