今回は、肌に起こるさまざまな症状の原因やメカニズムを発信する肌ケア情報サイト「医肌研究所」から、思春期のニキビと大人のニキビの違いをご紹介するとともに、大人のニキビを適切にケアするためのポイントについてご紹介します。
【医肌研究所より】大人にできるニキビの症状や原因

思春期を過ぎて発症するニキビは、頬から口もと、あごにかけてのUゾーンやフェイスラインに多く、顔以外では肩などにできることがあります。いずれも皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部位という特徴があります。
大人のニキビは、生活習慣の乱れや間違ったスキンケアなど、さまざまな要因が複雑に関わりあうことで起こりやすくなります。たとえば、睡眠不足や過度なストレス、偏った食生活、喫煙などによって肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が乱れると、古い角層が肌表面に残ることで角層が厚くなり、毛穴がつまりやすくなります。
ターンオーバーの乱れは肌の乾燥を招き、間違ったスキンケアや、冷暖房のきいたオフィスに長時間いることなどでも、肌は乾燥しやすくなります。すると、肌を外的刺激から守っていたバリア機能も低下。肌は自らを守ろうとますます角層を厚くし、毛穴もさらにつまりやすくなります。
このように大人のニキビは原因が複雑で、何度でも繰り返してしまうことがあります。大人のニキビの予防には、生活習慣やスキンケアの方法を、ひととおり見直す必要があります。
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ニキビケアのポイント
ニキビは皮脂の過剰分泌や、毛穴がふさがることで起こりやすくなりますが、毛穴のなかで皮膚の常在菌であるアクネ菌が増殖すると、炎症を起こして赤ニキビに進行してしまいます。ここでは炎症前と炎症後、それぞれのケアのポイントをご紹介します。
◆炎症前の白ニキビ・黒ニキビのケア
角化によってふさがれた毛穴内部に、皮脂や古い角層のタンパク質が溜まることで面皰(めんぽう/コメド)と呼ばれるポツポツができます。この状態を白ニキビ(閉鎖面皰)と言います。また、毛穴が開いていると皮脂が酸化し、黒ニキビ(開放面皰)になることもあります。
この時点でのケアには、皮膚科で行う面皰圧出(面皰を専用の器具で除去する処置)や、古い角層を取り去り、肌のターンオーバーを促すケミカルピーリング、毛穴のつまりや炎症を改善する外用薬の使用などがあります。
ニキビを予防するためにホームケアでは、適切な洗顔で肌を清潔に保つとともに、化粧水や乳液で水分と油分をバランスよく補い、肌のバリア機能をキープすることが大切です。「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されたスキンケア化粧品を使うのもよいでしょう。ニキビを爪やピンセットなどでつぶそうとすると、雑菌の繁殖を招き、ニキビが悪化することもあるので、くれぐれも気をつけましょう。
◆炎症を起こした赤ニキビのケア
白ニキビや黒ニキビが発生した後に、毛穴内でアクネ菌が増殖すると、白血球がアクネ菌を攻撃するために炎症を起こし、赤ニキビへと進行します。
炎症をそのままにすると、膿を持つ黄ニキビや紫ニキビに進行したり、炎症部分の組織がニキビ跡として残ったりすることがありますので、外用薬や内服薬ですみやかに炎症を鎮めることがもっとも大切です。そのうえで面皰を取り除いたり、ニキビの原因をつくっている皮脂分泌や毛穴のつまりを改善するケアや、治療を行ったりしていきます。
ホームケアにおいても、まずは炎症を鎮めることが大切です。そのうえで毎日のスキンケアや生活習慣を見直し、すこやかな肌を保ちましょう。
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