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香水の「年齢に合わない」と「初級」、「上級」の違い

香水の「年齢に合わない」と「初級」、「上級」の違い



玄人好み・・・

どこかイカした響きの言葉です。
着物業界では粋筋などと、花柳界の人間を指して言うこともありますが、香水業界にも玄人好みと呼ばれるような香水があったりします。大体が濃厚で高級感漂う系統の香りだったりすることが多いのですが、では玄人の反対である素人・・・、初級と上級とは香水のくくりの中では一体なんなのか?

おそらくそれは場数の多さと感じます。

場数というのは香水をつけた回数とその所持数。
所持数が多ければ多いほど良いというわけではなく、いろいろな香りをよくよく吟味することが初級・中級・上級を分かつ境界線なのではないでしょうか。

この香りは普段使えるから、ジーンズスタイルの時に
この香りは普段使えないけれど、ドレッシーなワンピースの時に

ビジネスシーンに
デートの時に
一人でゆっくりしたい時に
お風呂あがりに

etc....


これは香りそのものの数を知っていないと出来ない芸当です。
俗に言われるTPOですね。10の香りを知っている人と、1000の香りを知っている人では、使いどころに差が出てきます。

初心者向けの香水は、押しなべて「どこにでもつけていけそうな、失敗の少ない香り」がチョイスされることが多いです。なぜライトな香りなのかというと、手持ちの所持数が少ないであろうとされるからです。手持ちが少ないと同じ香水をつけがちになるため、結果普段でも使えるライトなものをすすめられる。

そして上級向けの香りと呼ばれているものは非常に使いにくい。
好みの分かれるオリエンタル系やオバン臭いとされるクラシカルな香りが多いです。
使いにくいというのは、初級の「どこにでも~」という理由で定義するならば「使う場所がない、またはそれに見合う格好がない」ということになります。つまりごくごく限られた場所でしか使えないような香水を好んで所持するというのは、非常に贅沢でもあり、そしてそこが上級と呼ばれる所以なのだと思います。

上級といえばオリエンタル・・・ではなく、
好き嫌いの分かれるオリエンタルだからこそ、上級なのです。

例えば玄人好みの代名詞、ゲラン・パルファンの夜間飛行。
1933年発売の古株ですが、口コミ数は圧倒的に2008年に発売されたクロエに負けています。入手しにくいというのもありますが、実際こちらの夜間飛行、93mlで16800円と割と高価。パルファンになると香水好きの私でさえそうおいそれと購入出来ないお値段です。ミニサイズ香水は確かなかったと記憶しております。

はっきり言って、ゲランの香水は使いにくいったらない。甘いし重し拡散するし、一歩間違えれば香害女です。臭いといい香りのきわどいラインを表現できる自信をまだ夜間飛行で取得出来ていないので、私は外出時につけません。そのような使い方をされている方も、多いと聞きます。

ですがこれってすごく贅沢。名香と名高いゲラン、しかも16800円を自宅のみでしか使わないなんて。罰が当たりそうな贅沢品です。私だってほんと言うと超高級な家に住んで家政婦さんだっていたりして、毎日きれいに過ごしたいです。でも実際は忙しいからとパジャマでWEBデザインしてるわけです。息抜きに香水をつけながら(笑

ですが、贅沢な使い方をすれば上級かというとそうではないんですよね。
ライトな香りが好きだからと言って初級なわけではありません。
上級者はライトな香りの中で個性を出してきます。

逆もまたしかり。
重圧な玄人好みと呼ばれる香水をつけているからって、上級なわけではないのです。


そしてこちらもよく出てくるワード「年齢に合わない」。
私自身、合わせ方次第で年齢に合わない香水はないという自論を持っていて、どんな香りでも一度気に入ったのなら、購入してみます。そして気取らず、肩肘張らず、つけてみる。香りというのは最終的にファッションと同じく自己満足です。香害にならない程度でTPOも多少守り、楽しい香りライフを楽しむのが私の信条です。

コレクター的な集め方も良いのですが、私は好みではありません。
個人的に一番重要なのは「いかにこのいい香りをうまく使えるか」に心血を注ぐこと。

同じ香水でも体温によって香りたちも、拡散性も変わってきます。
その日の天気、湿度も関係しますが、ファッションやその人の所作ひとつで香りの印象さえ変わります。

香りに合わせるのも、香りを自分に合わせるのも、やはり経験値がないと出来ません。
結局そこが上級と初級をわける線引きなのではないでしょうか。

さてさて、こんなにも豪語している私自身の”級”はというと、まだまだ初級を抜け出せていないようです。分かっていたはずなのに、アディクトをまたもやつけすぎてしまい、本日頭痛を引き起こしました。

まぁ・・・
だからこそこの記事を書こうと思ったのですが(笑

ではでは、長文になりましたが最後までお読み頂きありがとうございます。
まだアツく香りについて語りたいと思います♪



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コメント(5件)

  • 時代に合いにくいというのもそうですね。つけて行く場所がありませんからね・・・。ファッションも世界的にみてカジュアル路線になって、オペラ座では正装でなくても出席できるようになったとか・・・。服装と合わせて考える事も多いので、やはり香水選びは難しいです。

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    2011/10/20 00:47

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  • >>巳鈴さん
    日本は非常に香りというものに繊細ですよね。以前日本在住の外国人の友人が香水について日本人から注意を受けたと言っていました。つけすぎが原因というより、やはり香りの構成そのもの自体が日本人の鼻に合いにくいのではないかと思います。香水好きな人間からすると、なかなか難しい現状ですよね・・。

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    • 更新する

    2011/10/18 20:12

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  • >>ミ★ポリンさん
    無反応ではありますが、私はこっそりミ★ポリンさんの記事や口コミを読ませていただいております。照れ屋な為どんな記事も読み逃げなので申し訳ありません。確かにクラシカルな香りなどは使いにくい部分がありますよね。私は年齢に合わないというより、もう時代に合いにくいんだと感じてしまいます

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    2011/10/18 20:09

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  • >>mokomamanさん
    お返事が遅くなり申し訳ありません。
    私は多少ブランドの選り好みはありますが、基本的には香り本体で選ぶことが多いのと、私の好みは超濃厚なオリエンタル、つまり秋冬向きの香りを選んでしまうため、結果使いにくいという状態に陥ってしまっています(涙
    鼻の好みも変えたいこのごろです

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    2011/10/18 20:06

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  • 私もたっくさん持ってますが、高級な香りを普段使いできるほどの貫禄は持ち合わせていません。笑。でもこの年齢でしかつけられない香りもあると思って若い香りをつけてますね~。マダム香水は寝香水にしかできないのが哀しいです。香水が可哀想・・・。

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    • 更新する

    2011/10/2 02:29

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