Chapter.1 シャンプーの歴史を知る。最古の洗髪剤は「米のとぎ汁」だった!?[@cosme NIPPON PROJECT]

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一瞬にしてその人の印象を心に刻み込んでしまう「見た目印象」も大切な時代。その見た目を左右するのがヘアスタイルといっても過言ではなく、今は肌同様に髪のお手入れをする人が増えているとか。時代背景やトレンド、さらに髪の健康にいたるまで、現代女性の髪のニーズに寄り添ったヘアケアブランド「エッセンシャル」は2018年、リニューアルをしました。テーマは「現代女性に寄り添う、究極の髪美容」。さて、その真相はいかに?

今では「当たり前」のようにあるシャンプーやコンディショナーなどの洗髪剤。つややかでハリのある健康的な髪は、見た目印象を左右するといっても過言ではないといわれるくらい、重要なパーツであることは皆さんもご存知のとおり。

ですが、この髪の歴史…知っているようで意外と知らないもの。まずは髪の歴史についておさらいしましょう。

(花王企業文化情報部・花王ミュージアム館長 丸田誠一さん)

「花王ミュージアムでは花王の製品のみならず、生活様式や歴史の変遷なども紹介しています」と語るのは花王ミュージアムの館長・丸田誠一さん。早速、館内を案内していただきました。

「花王ミュージアムには、歴代の製品を展示するだけでなく、その時代の人々の暮らしを紹介するコーナーもあるんです。なかでも、洗濯や掃除、入浴、化粧など『洗う』という清浄文化のゾーンはおもしろいと思いますよ」と丸田さん。

「5000年以上前の【洗浄】の歴史を振り返ってみると、床を磨いたり、お皿を洗ったり【掃除】をすることから、顔や髪、体を【洗う】ことまで記録が残っています。銭湯を模型で展示して洗浄文化に触れていただいています」(丸田さん)

「洗浄剤のルーツを探っていくと、紀元前の暮らしまでさかのぼることができます。ここでは古代エジプト人が洗浄剤として使用していたといわれる天然炭酸ソーダや天然植物『サイカチ』、柘植(つげ)の櫛なども展示しています。最古の洗髪剤はなんと、米のとぎ汁だったといわれているんですよ」(丸田さん)

洗浄の歴史を知るうえで欠かせないのは、石鹸の話。海外ではいち早く石鹸が製造され、その技法や文化が日本に入ってきたのは明治になってからだそう。

「記録では【堤石鹸】(明治6年)が国内で最初の石鹸だったといわれています。ですが、価格が高く、5〜6年くらいで市場から無くなっています。ただし、シリーズの中で一番安い石鹸だけは比較的売れていたため、『安ければ売れるだろう』と他メーカーが原料の品質を下げて、安い石鹸を製造し始めたのです。そのため、世の中に劣悪品が広まってしまいました。それを何とか変えたいと立ち上がったのが、花王の創業者である長瀬富郎なのです。国産で品質のいい石鹸をと、花王石鹸を発売することを決意しました」(丸田さん)

堤石鹸の製造から遅れること15年あまり、1890(明治23)年に誕生した「花王石鹸」は、「ヨーロッパの技術を解釈し、日本用にカスタマイズして独自の製法を生み出した」製品だ。価格は3個入りで35銭。

「1個販売はしていなかったのですが、単価でいうと12銭の計算。当時、蕎麦1杯が1銭の時代でしたから、一般庶民には手の出ない品物でした。ですが、長瀬は利益の半分近くを広告費に当て、製品の良さをアピールしていきました。石鹸をただの生活用品でなく、化粧品として位置づける戦略を仕掛けていました。この石鹸の登場で、美容習慣への関心が高まったのは言うまでもありません」(丸田さん)

創設者・富郎の子供で2代目社長の長瀬富郎(同名)は石鹸づくりにまい進し、今の花王石鹸の基盤を作りあげたと言われている。

この石鹸技術を応用した元祖シャンプーといえる石鹸が1932(昭和7)年に誕生。日本で【シャンプー】と名付けて販売したのは、花王が初めてといわれています。

「シャンプーといっても見た目は固形石鹸です(笑)。砕いた粉を水で混ぜ、泡立てて使っていました。今まで石鹸で体も髪も洗っていたものと比べると、髪専用の石鹸というだけで人々の関心を得ることができました。泡立ちも香りも良く、仕上りの良さも雲泥の差。富裕層から徐々に認知が広まっていったと聞いています」(丸田さん)

ヤシ油系洗剤の製造技術が進化したことで、シャンプーの普及率が一気に加速。「花王フェザーシャンプー」は花王ブランドのなかでも特に印象に残る製品だと丸田さんは言います。

「1955(昭和30)年に登場した、エッセンシャルの前衛ともいえる『花王フェザーシャンプー』は、洗髪文化の歴史に大きく貢献した製品です。当時はこのフェザーシャンプーで花王を知ったという人も多く、シャンプーの会社だと思われたくらいですから(笑)」(丸田さん)

アルカリ性の石鹸の時代から、合成洗剤系粉末の中性洗髪料になると、機能性だけでなく、大幅に生産スピードを上げることができる。つまり、洗髪の習慣を定着させる絶好の機会だったそう。

少量が小袋に入ったフェザーシャンプーを銭湯で販売すると、たちまちヒットアイテムに。「ほとんどの人が入浴料と同時に花王フェザーシャンプーを購入していたそうです」(丸田さん)

シャンプーの売上の80%近くを花王が占めていたというのは驚き!

シャンプーの技術革命はまだまだ続きます。アルカリ性石鹸から中性の粉シャンプー、そして、さらに使いやすさを追求した液体シャンプーへと進化。日本初の液体シャンプーを製造したのも花王でした。

「花王フェザーシャンプーの進化版として2種類のシャンプーを販売しました。花王ミュージアムには当時のシャンプーが展示されているのですが、この時から【乾性用】【脂性用】が用意されていたんですね。製品のキャッチコピーは、『5日に1度はシャンプーを』というものでした」(丸田さん)

このフェザーシャンプーの登場以来、庶民の洗髪習慣は定着化され、今に至ります。現在では8つのブランドを持ち、悩みやニーズに合わせた商品を提供しています。

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