Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン) / ティー フレグランス ブレンズ アールグレー & キューカンバー 口コミ

あれれー？おっかしいぞー！と、私の中の小さな名探偵が声を上げる。
これ変だよ！「紅茶の香り」がしないよー？と…。
「紅茶は大好きだしベルガモットも大好きだが、アールグレイは苦手」。
この香水は、そうした人には要注意の香りだ。

トップノート：ジャスミン、ベルガモット、林檎、ウォーターノート。
ミドルノート：アンジェリカ、キューカンバー（キュウリ）。
ラストノート：ムスク、ヴァージニアシダー、蜜蝋、バニラ。
爽やかなアールグレイティーから徐々に温かみのあるミルクティーへと変化していく、人気の紅茶系香水だ。

付けたては、白粉のようにパウダリーなアールグレイの茶葉が美しく香る。
ただ、いかんせんアールグレイに寄せ過ぎている。
トップからミドルにかけて綺麗だが一癖も二癖もあるこの香りが、長く続く。
どこかで嗅いだ覚えがあると思った。
あれはそう、ベアミネラルの美容液『AGL フィトレチノ10 コンセントレート』だ…。
すっきりとしたハーブの香りが、嫌ではないが少々クセがあり気になっていた。
天然香料由来のハーバルシトラスとあったが、爽快感はそれに似ている。
ジャスミン、ベルガモット、アンジェリカにキューカンバーが重なると、こうも個性的なハーブ臭になるのだろうか。パウダリーなハーブのアールグレイ。慣れるまでは微妙な心地でいた。
悪くはないが鼻につく感じ。嫌いな人は頭が痛くなるかも知れない。

しかしミドルからラストにかけては、ぐっと温かみのある紅茶系の香りとなる。
蜜蝋とバニラが良い仕事をしているようで、ほんのりとした甘さも感じた。ここに来てようやく缶に入ったままの茶葉が、落ち着いた紅茶の「湯気」になった気がする。
刺々しさも消え失せ、ずっとこの香りなら良いのに…と考えている間に儚く消えていった。

ここまでで評価は星３つ。
悪くはないが、単純に自分好みのアールグレイではない。白粉とハーブが気になる上に、甘党には砂糖なし紅茶は物足りない。
黒髪ストレートの綺麗なお姉さんが、髪の毛を結い上げ、ロングカーディガンにパンツ姿で司書をしている。休憩時にアールグレイのお茶缶を手にこちらへ微笑みかけてくる、そんな印象だ。
自然体で爽やか、透明感のある洗練された香りは、アールグレイが好きな人ならきっとハマることだろう。

星4つにしたのは、コンバイニングが素敵だからだ。
一嗅ぎ惚れした『ブラックベリー＆ベイ（好きすぎて評価していない）』と重ねると、やや男性的だった力強いベリーが柔らかく上品にまとまって、楽しい。
お腹にアールグレー、胸元にブラックベリーを２プッシュ。今一番お気に入りの組み合わせだ。
『ネクタリン ブロッサム＆ハニー』はアールグレーともブラックベリーとも合うらしい。ひょっとしてフルーティ系ならイケるのでは、と手持ちと合わせまくっているが、どれもそう悪くないのがこの子の凄い所だ。
紅茶系の香水も良い。
同系統で合わせるのは邪道かも知れないが、スモーキーさが軽減されたり、甘ったるい紅茶がさっぱり系や上品になったりと、なかなか面白いと思う。

30ml、8800円。
現品を購入前に、まずは香りを試して欲しい。デパートが近場にないのなら、ちょっとお高めのアールグレイの茶葉を購入してみるのも良いだろう。
「アールグレイティーが好き！アールグレイの茶葉と、湯気の香りが好き！」
そんな方にお薦めしたい、ジョーマロン的紅茶の香り。

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