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薔薇の香りは好きだけど嫌い。良家のお嬢様のどこか気取った雰囲気があるから。淑女のイメージが強すぎてつまらない。自他ともに認めるフリーダムな雰囲気の自分には似合わないと思っていた。
でもナエマは特別。サンプルを試した後で100mlのボトルを衝動買い。身も心も焦がすような情熱的な恋の香りがするから。
トップは切ったばかりの薔薇の茎を思い起こさせるグリーンな香り。シャネル19のトップのグリーンを柔らかくしたよう。この苦い香りは比較的早く消える。ベルガモットとアルデハイドがうまく華やかさを醸し出している。
私の肌の上だとこの後ピーチが強く香る。熟しきって今まさに食べごろのジューシーな桃。白桃と外国のピーチの丁度間くらいの、成熟した女性を思わせる甘い香り。香水をつけ始めたばかりの若い女の子のモテ香水によくある可愛いピーチとは全く違う上品なセンシュアルさがある。
そしてややパウダリーな薔薇の香りが少しずつ現れる。薄い花びらのビロードのようなしっとりした肉感、触った時のヒヤッとした感触まで表現されている。その薔薇の花弁が一枚一枚開くのを撮影して高速で再現したかのよう。色で言うと赤というよりオレンジがかったピンクかな。いかにも口紅にありそうなモテを狙ったような色の。薔薇から蜂蜜が取れるかどうかは知らないが、花の中心にこっそりと甘味な蜜を蓄えているのではと錯覚する。
イランイラン、ジャスミン、ライラックなど輝くばかりのフェミニンさ。それでも色気止まりで安っぽいセクシーさにならないところは鈴蘭の清潔感のある香りが効いているからだろう。手を伸ばせばすぐ届きそうではなくて、男性の狩猟本能を掻き立てるようなちょっとした距離を感じる。明らかに自分に興味を持って近づいて来ているのだが、手を伸ばして抱き寄せようとするとその腕からするりとすり抜けていきそうな。
ラストにはパッションフルーツが使われているが、これは割合早くから香り始め、ミドルとラストの橋渡しをスムーズにしている。サンダルウッドは人肌に似たニュアンスがあって男性的にも女性的にも転ぶ香料だが、ここでは明らかに女性度マックスだ。バニラが使われているが食べられそうというより、明らかにインセンスに使われていそうな少し乾いたバニラ。
ナエマをつけていると自分の女性性を素直に受け止めようという気持ちになる。普段だと小っ恥ずかしくなるほどフェミニンなシルエットのドレスを纏い、いつもはピッタリと束ねている長い髪を下ろして、ヒールを履いて歩いてみる。風になびく髪に長いドレス、そしてナエマの香り。こんな一面がわたしにもあったなんてと正直驚く。感情と官能が自由になった感覚は慣れると心地よい。
日本では想像できないかもしれないが、私の住んでいるアメリカでは女性はいくつになっても恋愛を楽しむ。そもそも「おばさん」「おじさん」にあたる言葉がなく、女性は死ぬまで女性で男性は死ぬまで男性という認識だ。歳の差カップルも当たり前だし、日本では老人のカテゴリーに入れられる人もパートナーを探している。どんな年代でも男女問わずセクシーであるために努力をする。まあ、これは人にもよるが。
誰にも言わないけれど女の胸には時々花火が上がっている。長持ちする愛ではなくて、夜空に一瞬だけ大輪の花を咲かせ、儚く消えていく打ち上げ花火は恋のよう。男性の心に鮮やかな印象を残して潔く消えていく。
ナエマはそんな熱い恋の香り。
トップノート: 薔薇、ピーチ、アルデハイド、グリーンノート、ベルガモット
ミドルノート: 薔薇、イランイラン、ヒヤシンス、ジャスミン、ライラック、鈴蘭
ラストノート: サンダルウッド、バニラ、トゥルーバルサム、ベチバー、パッションフルーツ
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