- クチコミ 5件
- 注目人数 人
- 購入者のクチコミで絞り込む
クチコミ
ベル レスピロはグリーンフローラル(2016年)の傑作であり、さすがはシャネル!と感じさせるような孤高の香りだ。
こんなにも尖がった香りを、高級ラインに並べても遜色のないクオリティにしつつ、さらに嗜好性の高い香りに仕上げることができるのは、おそらくシャネルだけではないだろうか。
トップはグリーン。スプレーすると、パンチのあるリーフグリーン、そしてガルバナムグリーンの強い香りにたじろぐ。ハンパない草感! しかし、グリーンが強い分、奥からジャスミンなどホワイトフローラルらしいコクのある甘さが引き立つ。春らしい陽光のなか、新緑や軽やかな風に包まれたような気分にいざなってくれる、とても気持ちの良い香り。
ミドルはグリーン・フローラル。 キーンと鋭いグリーンの香りから、ガルバナムグリーンのアーシーなえぐみや、ペチグレンの乾いたグリーンに移ろっていく。そしてジャスミンやネロリの淡いフローラルや、さらにライラックのようなコクのある蜜のような甘さも顔を出す。はっきりしたグリーンをバックに、フローラルの柔らかい甘さを感じることができる、非常に洗練された香りだと感じる。
ベースはグリーン・ウッディ。ガルバナムのグリーンな印象はドライなベチバーに、フローラルの蜜のような甘さは少しアニマリックなパチョリにそれぞれ引き継がれる。それらをクリーミーなムスクや、クマリンのほんのりした甘さで上品にまとめ上げたような香り。最後はグリーン・フローラル・ウッディが調和することで、かすかにクラシカルなシプレの面影のある、心地よい残香に変わっていく。
トップからミドル寄りの成分が強いためか、持続時間は3〜4時間くらい。
正直、ベル レスピロは使うシーンがかなり限られてしまう香りではないだろうか。
まるで新緑に囲まれたような香りなため、5月から6月の爽やかな五月晴れの休日に、これほど似合う香りは見当たらない。一方で、オンタイムや夜には不向き、梅雨時の湿った空気でもアニマリックなコクが少し籠ってしまうため、香りの良さが発揮されないのでは。
オリジナルのオードトワレ(2007年)は一度だけ嗅いだことがある。トワレはもっともっとグリーンが特出していた。このオードゥパルファムは、オリジナルの孤高なキャラを損なうことなく、フローラルで奥行きを持たせることで、ゼクスクルジフにふさわしい、高級感が与えられたように感じる。
ベルレスピロは、パリ郊外のガルシュという土地にあったココ・シャネルの別荘の名前で、彼女にとって、まさに心休まる楽園だったようだ。
ベルレスピロは、陽光に輝く草、木の葉のグリーン、そしてそよ風に運ばれる地中海に面した潅木林など、 春そのものを繊細に表現した香り。
これから始まる不快な梅雨前の天気の良い休日に、春の素晴らしい余韻に包まれてみたいと思う。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
この商品を高評価している人のオススメ商品をCheck!
戻る
次へ