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クチコミ
いい塩梅に南国感でてます。
いつどこでまとっても、1メートル四方に小さな常夏の楽園を作りだしてくれる、そんな感じの香り。
仮にこの「常夏」の部分を「春」に置き換えたなら、それは私にとってラルチザンのカリーニャってことになるわけですが……ともあれ、そういう類の香りは貴重です。
無理なく通年使えて、ブレない、裏切らない。無遠慮な季節の風からかばってくれる、ささやかな箱庭、あるいはシェルター的な?
中心となる花部分の香りは、率直に言って「自分の香り」という感じはまったくしませんでした。
あくまで個人的な感覚ですが、なじみやすくも親しみやすくもなく、どちらかというと突き放したみたいな強さや輪郭の濃さがある。
でもその違和が、斥力が、逆に「楽園」を作りだしているようにも思います。
「日常」とか「自分」とかってものから、秒ではじき出してくれるって意味で。
(「楽園」なんてもの、番地がどこであれ、「ここ」からきわめて遠い場所であることだけは確かな気がしますしね。)
わずかに青ささえ伴った鮮やかなフランジパニのアブソリュートは、紛れもなくこの香りの前半の主役。そして、上澄みみたいに純粋で甘いイランイランエクストラ。イランイランは「花の中の花」という意味だそうですが、蒸留によって得られる最初のエキスたるエクストラはいわば、「花の中の花、の中の花」ってところでしょうか。もうほとんど花のイデアですね笑
ふたつの花の香りはどちらもサリチル酸を含んでいて、それは多くの日焼け止めとも共通している。これらがマリンソルトアコードとあいまって、目映い日差しに照らされた空想上のビーチを想い起こさせるのでしょう。
そして、光と色の奔流を抜けて辿りついた楽園の夜は、美しくなめらかなバニラのラスト。それはもう、ただただ穏やかで幸せな……。
(ここまではっきりバニラが単離されて感じられるバランスというのは、個人的にすごくうれしかったりします。)
相反するものだとか異なるもの同士は、なんというか、結局のところなめらかにつながっていて。浜辺と野原、花と肌、旅と日常、遠くと近く……。
とりとめのないレビューになりましたが、きっとこの香りはジャン=クロード・エレナが思い描いたとある空想の香水と少なからぬつながりを持っているのだと、どこかで読んだどなたかのお説に私も深く同意するものです。
10mlサイズが有難くてクヴォンの香りはいくつも試していますが、今のところこれがいちばん好きです。
(何につけても万人に薦められるものなんてない、ってことで、原則☆7はつけないことにしてるのですが、これは自分の中でだけなら、7でもいいかな……。)
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