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レゼクスクルジフドゥシャネル19番目の香りに加わった「コメット」。1932年に発表したジュエリーコレクションから着想を得たことになっている。チェリーブロッサムアコードというなんとも日本人の心を掴みそうな香料が採用されており、公式サイトだけでなく各メディアでもそれについて言及されているため、この香水の大きなセールスポイントらしい。
fragranticaのような香水解析サイトをひと通り回ってみて共通していた香料は、
チェリーブロッサム
アイリス
ヘリオトロープ
ムスク
の4つ(fragranticaにはアルデヒドの記載があった)。下調べは充分にするが、やはり香水は実際に試してナンボの世界。ひと吹きしてみるとふんわりとしたリフト感がある。これはアルデヒドが少々入っているな、そして感じるベンズアルデヒドのツンとしたアーモンドの香り。チェリーブロッサムアコードにはベンズアルデヒドが使われるようだから、これがいわゆる「桜」の部分だろう。
やがてアーモンドの香りはヘリオトロープの優しくノスタルジックな甘さと混ざり合い、とても柔らかなフローラル調に。ちょっとスミレの砂糖菓子のような感じもあるな。そこにシャネルお得意の高品質なアイリスのパウダリーさも加わってよりいっそうしとやかな印象になる。色で喩えると薄いパープルで、肌に溶け込むような控えめな香り立ちだ。色彩淡めのフローラルはとてもよい雰囲気だが、うーん、桜感はあまりないかも。
薄紫色のパウダリーフローラルは、ドライダウンのムスクが加わることでさらにその色をじわじわと淡くしていく。そして最後に残るのは真っ白いパウダリーなアイリスと柔らかなムスク。目立った香り立ちは4時間程度だが、ドライダウンの心地いいパウダリームスクは細く長く8時間は続く。トップが過ぎるとそれ以降はあまり起伏の激しい変化はしない。
コメットを桜香水として評価することはできないが、やはり安定のレゼクスクルジフ、ハイエンドラインとしてのクオリティの高さを感じられる。特にアイリスの香りの豊かさは素晴らしいと思う。ラパウザ、1957、ミシア辺りをお好きな方ならこちらを買ってもきっと満足できるのではないだろうか。クセも少なく、レゼクスクルジフのシリーズでは日本人にも使いやすい部類だ。
fragranticaの記事で「東洋のミニマリズムがある」「poemでなく俳句のよう」という意見を見かけたが、けっこう当たっていると思う。チェリーブロッサム以外はアジアン要素やわかりやすい和風の香りを感じるわけではないが、たしかにそれっぽい。抹茶とか柚子とかでいかにもな和を演出しているのではなく、香り全体の雰囲気でそう使い手に感じさせている。一見地味そうで、コメットは中々にやり手の香水のようだ。
#香水
#CHANEL
トップ:チェリーブロッサム、アルデヒド
ミドル:アイリス、ヘリオトロープ
ベース:ムスク
調香師は、オリビエ・ポルジュ。
(fragranticaより
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