ゲラン / ルール ブルー 口コミ

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★キャプテンD★さん
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7購入品

2021/1/8 21:49:05

昨年11月のサロンドパルファムで、ラール エ ラ マティエールの新作 イリス トレフィエ(2020年)を初めてかいだとき、その香りに浸るよりも先に、ルール ブルー(1912年)をかぎたい衝動に駆られた。

そして、ラール エ ラ マティエールをもってしても、やはりルール ブルーを超えるアイリスの香りは成しえなかったと感じた。
(ラール エ ラ マティエールでは、アイリス パリダの精油という最も高価で稀少な香料を使用しているとのこと)

ルール ブルーは太陽が地平線の向こうに沈み、空にベルベットの夕闇が舞い降り、星が瞬く直前のシーンを見事に切り取った、優美なフレグランス。
天才ジャック・ゲランが創り出した、ゲランのなかでもっとも芸術性の高い香りだと思う。


トップはスパイシー・アロマティック。
アニスの薬を思わせるようなツーンとした硬さと、アロマティックなベルガモットの静かな甘さ。秋の夕暮れ、肌を刺すような空気の冷たさに、ピンと背筋を伸ばしてしまうようなイメージ。

ミドルはフローラル・パウダリー。
アニスに引きずられるように、フレッシュで硬質なカーネーションが花開く。カーネーションとベルガモットと組み合わせがとてもクラシカルで、ゲランらしい香りだと思う。
少しずつネロリやチュベローズ、さらにはローズの輪郭がはっきりしてくるが、これらフローラルは、奥から存在感を増していく、このフレグランスの主役アイリスをエスコートしているような役割にも映る。このフローラル主体のアイリスが特に素晴らしいと感じる。

ベースはパウダリー・バルサミック。
カーネーションやネロリ、ローズなどのフローラルの明るさを上層にしっかり残しながら、アイリスのふくよかなパウダリー感が強くなっていく。さらにはバイオレットが硬さを、ベンゾインが深みを加えていくことで、レザーのようなアイリスに香りに。
そこから上層のフローラルが淡くなっていくものの、バニラやトンカビーンの仄かな甘さが、アイリスやイオノンを明るく柔らかく仕上げていくことで、香り全体のイメージを大きく損なうことなく、次第にドライダウンしていく。

夕日と夕闇の狭間にアイリスを置くことで、ジャック・ゲランが見た、夜、星の瞬きを目にする前の束の間のシーンを見事にとらえていると思う。

太陽(ここではカーネーションやネロリの明るさ)にアイリスを溶け込ますことで夕日に仕立て、さらにバイオレットで引き締めながら、最後はバニラで淡い白さを滲ませることで、夕闇の一歩手前、星が瞬く直前で止めている。

まるで絵画を見ているような香りであり、個人的にはアイリスの存在感が際立った作品だと思う。
新作イリス トレフィエのトップのアイリス精油ならではの複雑な香り立ちも素晴らしかったが、ミドル以降は香り方がやや単調になるため、全体的な完成度で比較してしまうと、残念ながらルール ブルーには遠く及ばない。

日本の店頭では、パルファム(香水)とこのオードトワレのみが販売されている。
パルファムのフローラルの華やかさも素晴らしいが、個人的にはミドルからベースにかけてのアイリスの香りが大好きなので、その香りが早く訪れるオードトワレの方で満足している。

冬の仕事の帰り道、東京の夜空を見上げると、藍色の空に淡い雲がはっきりと見える。そういう夜空を眺めると、決まってルール ブルーを思い出す。
ルール ブルー、まさに青の時間だ。

  • _20210107_220325.JPG by ★キャプテンD★さん
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