Chapter.3 熊野筆の伝統技術は本当にスゴい[@cosme NIPPON PROJECT]

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書道筆一筋。2010年に伝統工芸士になり、熊野筆の普及と啓蒙活動で日本各地を飛び回る小鳥田正寛さん(79歳)。熊野町に生まれ、家族も熊野筆に携わるという生粋の熊野筆っ子だ。

「母が熊野筆の職人でね、小さい頃から筆づくりを見て手伝いをしていたよ」と小鳥田さん。中学を卒業後、熊野筆の職人の道へ進んだが、21歳のとき“他の世界も知りたくなって”自動車メーカーへ転職。営業職として30年近く働いた。営業成績も良く、会社も順風満帆。何ひとつ不満はなかったのに「いつも心に引っかかっていたことがあった」と言います。

「熊野筆のことがいつも頭の隅にあったんですよ。自分で選んだ人生だから後悔していないけど、心残りがあって。それが筆づくりでした。若いときに筆職人としてまっとうできなかったという想いが、今になってフツフツとわいてきて。50歳の手習いじゃないけど、もう一度筆づくりを学びたいと思ったんです」(小鳥田さん)

定年まであと少しというときに退職。あえて茨の道を歩む決断をしたのはナゼ?「自分でもナゼだかわからない(笑)。でも、“今やらないと絶対後悔する”という気持ちはありましたね」と小鳥田さん。その答えに迷いはなかったそう。

心が決まればあとは突き進むだけ!小鳥田さんは筆づくりにまい進します。こんなに筆づくりに集中できたのも、「自分の中で決めていたことがあったから」と言います。それは「自分の納得する筆をつくりたい」という強い信念。

「若かりし頃、中途半端で挫折してしまったため、熊野筆の本当のスゴさを知らないままでいるのはもったいないし、悔しいんですよ。だったら、熊野筆の良さをとことん知り尽くし、それをカタチにしたいと思ってね」。

伝統工芸士が語る、熊野筆の特長は3つ。ひとつは【原料】。

「ある程度の技術があれば、そこそこの筆をつくることはできるでしょう。でも、熊野筆はそれで終わらない。そのスゴさのヒミツは毛(原料)の良さなんです。書道筆の命ともなる毛の選定は、その作品の良し悪しを決めるといっても過言ではないんですよ。晃祐堂の植松藤盛会長に聞いたことがあるのですが、良い毛があると聞けば、現地へ出向き、毛を厳選して現地の工場で加工する。それをベストな状態で保管しているのは熊野筆ブランドの支えになっています。

ふたつ目は【技術】です。書道筆の良し悪しを決めるのは毛先の先端。ヒュンと伸びた毛を私たちは『命毛(いのちげ)』と呼んでいるのですが、命毛は筆を紙に置いたときの弾力感、つまり文字を書くときの『のせ』に大きく左右するのです。書道では筆入れの良し悪しで作品が決まるといわれているくらいですから。

私たちはこの命毛の毛先をカットしない製法を採用しています。この工程は機械では決して出せない。熊野筆は毛先の先の先までオールハンドメイドでつくっています。

技術を磨いていくためには職人たちのスキルアップが必須になります。同志でもあり、ライバルでもある職人たちと切磋琢磨しながら技術を磨いていきましたね。

3つ目は、お客さまのニーズに答える【柔軟性】です。熊野筆の技術はあっても使ってくださる方がいないと意味がありません。予算、質感、作品の仕上がりなど、筆ができるすべてのニーズに応えたい。そのためには知識、技術は常に磨き続けること。さらに、何でも挑戦しようとする柔軟な気持ち。『こうでなければならない』『こうあるべきだ』という既成概念を打ち破る、柔軟性は大切ですね」。

小鳥田さんの理想とする熊野筆とは?「うーん。まだ自分でも模索中(笑)。まだまだ精進しないといけないね。でも、いつか“これだ!”と納得できる作品がつくれたらいいな」。小鳥田さんの夢は続きます。

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