美容文化研究室 - アットコスメ(@cosme)

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Nippon Beauty 再発見 全10回 美容文化研究室 @cosmeとPOLAが美容のルーツに迫ります!
第4回 「色白は七難隠す!日焼け対策、今昔物語」美白part2
3回目に引き続き、「ニッポンの美白事情」をお伝えします!
これからの季節は紫外線量も増え、お肌にとってはデンジャラスな季節。日焼け対策を気にしている方も多いはず。そこで今回は、昔の女性は日焼けを気にしていたのか? また、どういう日焼け対策をしていたのかを紐解いていきます。
美容の歴史について教えてくれるのは・・・ 日本の美容文化エキスパート ポーラ文化研究所 主任研究員 村田孝子先生 【写真】村田孝子先生
主に日本と西洋の化粧史・結髪史を研究。
セミナー講演、展覧会、著作などで成果を発表。

「ポーラ文化研究所」詳しくはコチラ
江戸の女性もレジャーと美白がお好き!?
【写真】「浅草奥山四季花園観梅遠景」「江戸買物獨案内」 江 戸時代の中期以降、江戸の町でも文化が花開き、レジャーも盛んでした。レジャーと言っても、お花見をしたり、鎌倉や江の島へ出かけて行ったり。潮干狩りや、隅田川で花火見物などもしていたようです。今と違ってTVもない時代ですから、それらが一大イベントだったんです。

最高位の遊女・花魁(おいらん)や、武家や公家といった上流階級の女性たちは、屋外でのレジャーを楽しむ時に、「日に焼けては大変!」とばかりに日傘をさしていました。そのあたりの女心は今と一緒。当時の女性たちも日焼けを気にしていたんですね。その証拠に『都風俗化粧伝』には、10種以上の美白方法が記載してありました。

また、この時代には神社巡りも流行ったようです。願掛けに行くんですね。「美人になりますように! 」などお願いしていたのではないでしょうか。今で言う“パワースポット巡り”です。春には桜や藤の花を見に行ったり、あそこの○○煎餅がおいしいとか、こちらの○○餅がおいしいと名物を食べたり。それこそ、お土産に白粉などのコスメを買ったりもしていたようです。そんなとき、参考にしていたのが『江戸買物獨(ひとり)案内』という本。これは、いわゆるショッピングガイドみたいなもので、当時はこのような本を買っていろいろ調べていたんですね。
パワースポットを巡って、美味しい物を食べて、お土産を買って帰って・・・なんて、現代の女性と同じようなことをして生活を楽しんでいたことがうかがえますよね! 江戸の女性もショッピングが大好きだったんだ!
明治時代、日焼け対策コスメが発売スタート!
明 治時代になると「日焼け対策」が本などでも紹介されるようになってきました。江戸時代にも日焼け対策という概念はあったのですが、きちんと言葉としてみんなが認識しはじめたのは明治時代になってからなんです。

明治時代の絵を見ると、日傘をさした女性が描かれている作品が数多くあります。また、当時出版された『美顔法』という本では、「美肌の敵=日焼け」として、日焼け対策やアフターケアの方法などが紹介されています。例えば、新鮮なきゅうりをひたした牛乳で洗顔する、氷砂糖を溶かしたぬるま湯で洗顔するなど。いろんな工夫をしていたようです。

そしてついに、日焼け対策コスメや今でいう“美白モノ”コスメも発売され始めました。『ホーカー液』という商品もその一つ。この商品のキャッチコピーは「日傘ひとつで日焦げ(=日焼け)は防げません」。その他にも『水晶白粉』や『大学白粉』など、いかにも肌が白くなりそうなネーミングのものばかりで、面白いでしょう?
【写真】「改良貴婦人競」「ホーカー液の看板と同ラインのホーカー白粉」
こうして明治時代から大正時代にかけて、一気に日焼け対策コスメや美白コスメが広まったわけです!
今の女性と同じで「日焼け対策とアフターケア」を当時の女性も大事にしていた、ということがわかりますね。

今回のコラムでは、美肌の大敵・紫外線について解説しているので、要チェックです!
【イラスト】日焼け対策コスメの原点は明治時代なんだ!
Beauty Column 日焼け対策のプロに聞きました!備えあれば憂いナシ!?日焼け対策は予防が大切
【写真】ポーラ横浜研究所メークアップ開発部 本間茂継さん 日焼け対策のためにも、大敵の紫外線についてきちんと知っておきたい!ということで、ポーラ横浜研究所の研究員・本間茂継さんに紫外線について教えてもらいました。
紫外線は、光の波長の長さによってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分類されます。
UV-Aは、コラーゲン線維構造にダメージをひき起こし、肌の弾力低下やシワ・シミ・くすみの原因となるもの。また、皮膚が赤くなりヒリヒリ痛む現象を起こすのは、UV-Bです。そしてUV-Cは、今はまだ地表に届いていませんが、オゾン層の破壊によって今後、地表に届く可能性がある紫外線で、生態系に悪影響を与えると言われています。

紫外線は晴れの日だけでなく、曇りの日も雨の日も降り注ぎますし、強度の差はありますが、夏だけでなく一年中降り注いでいます。ですから美肌を目指すなら、天気や季節、地域を問わず、年中日焼け止めを塗る(こまめに塗り直すことを心がけてください)ことが重要です。また日焼け止めにプラスして、外出時には日傘をさす、下地やファンデーションなども紫外線防止効果のあるものを選ぶように気をつけるなど、しっかり対策していきましょう。