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Nippon Beauty 再発見 全10回 美容文化研究室 @cosmeとPOLAが美容のルーツに迫ります!
第8回 「大昔から女性の味方!肌色をキレイに魅せる“口紅”」
マリリン・モンローの真っ赤な唇に代表されるように、赤い口紅は昔から“女性らしさ”を演出する永遠不滅のアイテム。肌色をキレイに魅せてくれる口紅は、現代では「ふっくらツヤツヤ」のうるおい感が人気。でも、実は昔の女性もツヤ感を出す工夫をしていたとか!? そこで今回は“口紅”を大調査!
美容の歴史について教えてくれるのは・・・ 日本の美容文化エキスパート ポーラ文化研究所 主任研究員 村田孝子先生 【写真】村田孝子先生
主に日本と西洋の化粧史・結髪史を研究。
セミナー講演、展覧会、著作などで成果を発表。

「ポーラ文化研究所」詳しくはコチラ
大昔から世界共通!? 古今東西で“赤”だった口紅!
【写真】臙脂虫をつぶして作られた紅の代用品 紅を売っていた、江戸時代のBAさんが描かれた紅粉屋の店先 口 紅に使われる紅花は、エジプト原産と言われています。紅花の花びらの先は黄色だけれど、根元は赤く、いくつもの工程を経て赤い色素だけが残るのです。日本の紅は、この紅花から作られたものがほとんどだったんですよ。そのほかにも、「臙脂虫(えんじむし)」(コチニール)をつぶして使ったり、「紅殻(べんがら)」という酸化鉄のようなものも使っていたと言います。驚きでしょう?

中国の唐の時代の壁画を見ても、女性たちは頬っぺたも唇も厚くて赤い化粧をしていましたし、ヨーロッパでは貴族の女性たちがチークを真っ赤に塗っていました。東西問わず、“赤”って昔からメイクの定番カラーだったんですね。赤は、血の色であり、太陽を示す色。赤を身につけることは、呪術的な意味もあったのかもしれませんが、きっと「生命力」や「華やかさ」などの象徴として人を惹きつけたのでしょうね。

エジプトから中近東やインドに渡り、中国を経て朝鮮半島に伝わり、口紅が日本へやって来たのが6世紀頃でしょうか。平安時代には高貴な女性はお約束のように白い肌に赤い紅をしていました。当時、夜はロウソクの灯で生活していたので、ほのかな灯に浮かぶ白い肌、その美白肌を引き立てる赤い唇、そして黒髪とお歯黒という色のコントラストは色っぽく、キレイに映えたんじゃないかしら。実はとっても計算された美だったのかもしれませんね。

一般女性たちが口紅をつけるようになったのは江戸の後期からでしょう。町の紅屋には売り子(今で言うBAさん)も現れました。
昔の女性たちは、ちょっとしたお出かけにも、肌色をキレイに見せてくれる口紅は欠かさなかったんですよ。それは、人に対する礼儀、みだしなみの基本だったから。これは現在にも息づいているマナーのひとつですよね。 【イラスト】赤が“華やかさ”の象徴、うん、納得!
「ふっくら・ツヤツヤ唇」が人気になったのは、どうして?
そ んなエレガントな口紅の歴史も、平成に入るとリップグロスの登場で大きく変わってきます。今は若い女性を中心に、うるおい感たっぷりの「ふっくらツヤツヤ唇」に見せることが主流ですよね。この“ふっくらツヤのある唇”というのは、明治以降に現れたキーワードだと思われます。と言っても、当時はツヤを出すというより、カサカサにならないように下にクリームを塗るという乾燥対策から生まれたものでした。大正時代には紅に氷砂糖を塗ってツヤを出していた、という文献も残っています。

今のコスメは、口紅もリップグロスもうるおい感やツヤ感を謳ったものが数多く見られますね。唇だけでなく、アイシャドウやチークにもツヤ感の出るモノがたくさん。ここまでうるおい感やツヤ感が支持されるようになった背景には、若くキュートに見せたいっていう女性の願望もあるんじゃないかしら。

けれど、いくらうるおい感・ツヤ感のあるリップグロスがいいと言っても、例えば平安時代の化粧にグロスは似合いません。あのスタイルは、ヘアもボリュームある黒髪で、肌も白くあってこその口元に赤のポイントを置いたメイク。全体のバランスがとれているんです。結局、いつの時代も“トータルビューティ”が大切だということではないでしょうか。
【写真】「当世見立十六むさし 柳はし・おこん 紅をさし」

そ ろそろ秋の新色が楽しみな時期ですね。昔の女性は美肌・美白効果のために白粉を塗って口紅で引き立てていましたが、現代の皆さんは、スキンケアを楽しみながら、ポイントメイクを引き立てるお肌を目指してください!
【イラスト】秋メイクを楽しむためにもキレイ肌を目指そう♪
Beauty Column 「氷砂糖で唇にツヤ」の真相を編集部が確かめました!
【写真】紅花からとった玉虫色に光る紅。湿らせた筆でなでるとキレイな赤が発色。 何もつけていない唇(上)と、紅のみをつけた唇(左下)、そして紅+氷砂糖の唇(右)。紅だけでもキレイだけど、ツヤを求めるなら氷砂糖も!
「大正時代の女性たちは氷砂糖を唇に塗ってツヤを出していた」という村田先生のお話をさっそく実践してみました。

まず、取り寄せた紅花からとった紅を見て、編集部一同ビックリ!「紅」なのに、玉虫色に光っています! 笹色紅など、絵では見ていましたが、いざ実物を見ると、「これが紅なの? 」「これが赤い色になるの? 」という驚きが。

そこで、水でぬらした筆で玉虫色の紅をなでると、色が真赤に変化。それを唇の上にのせると、キレイな赤色に! 疲れが見えがちな編集部員の肌も、何もつけていない時よりキレイに見えます♪

その上から、しめらせた氷砂糖をぬると、けっこうなツヤ。実は「氷砂糖でツヤは出ないのでは・・・? 」と半信半疑だったので、失敗時に備えてハチミツも用意していたのですが、必要ナシでした。

ただ、甘くてベタベタし、色ムラも出るのでデイリーユースには向かないかも。それを考えるとやっぱりグロスや口紅の進化ってスゴイですよね!
 
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