美容文化研究室 - アットコスメ(@cosme)

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Nippon Beauty 再発見 全10回 美容文化研究室 @cosmeとPOLAが美容のルーツに迫ります!
第9回 「肌をキレイに見せたい」欲求を叶えるために! ファンデーションの進化
肌をより美しく見せたい! という女性心は今も昔も変わりません。そこで今回はメイクの要(かなめ)、ファンデーションによる“見せ肌”の進化を探ってみましょう。
美容の歴史について教えてくれるのは・・・ 日本の美容文化エキスパート ポーラ文化研究所 主任研究員 村田孝子先生 【写真】村田孝子先生
主に日本と西洋の化粧史・結髪史を研究。
セミナー講演、展覧会、著作などで成果を発表。

「ポーラ文化研究所」詳しくはコチラ
“洋装”、“女性の社会進出”、“忙しい朝”がファンデーションを進化させた!?
そもそも「ファンデーション」という名称が一般化したのって昭和の戦後なんですよ。江戸時代は、ご存じのように“真っ白”一辺倒のおしろい文化。明治の末にやっと「色おしろい」という黄色や肉色(にくいろ=肌色のこと)など、肌色に近いものが登場してきました。ちょうどこの頃はファッションが着物から洋装に変わっていった時期。それまでの顔だけ真っ白塗りの和風メイクは、もう洋装とはマッチしなくなったのですね。上流階級やお金持ち、女優など流行に敏感な女性たちはすでにドレスなど洋装を着始めていました。それに加え化粧品メーカーもこぞって色つきのおしろいを開発してきましたから、女性たちは“自分の肌色を考える”という意識を持ちはじめたのです。

大正時代になると、和服の場合は昔通りに水おしろいや練おしろいを使うメイク法を続けていましたが、洋装の場合は簡易化粧に変化していきました。バスガイドやデパートの店員など、女性たちが外で働く機会も増えてきましたから、朝ゆっくりメイクする時間がないこともあったのでしょう。クリームを塗ってその上に粉おしろい(肉色や黄や紫など自分の肌色に近いものを選んで)をはたくというシンプルな方法に変わっていきました。
こうして色つきのおしろいを使ったりしながら徐々に一般の女性に“洋装に合ったメイク”、“自分の肌色に合ったメイク”が浸透していったようです。 【イラスト】洋装や新しいライフスタイルに合ったメイクがきっかけなのね!
【写真】明治末期頃、帽子・ネックレスなどで洋装した女性。まだ洋装に慣れていなかったのか、ちょっとアンバランス!? 【写真】ドレスに合わせたメイクを楽しむ明治時代末期頃の女性。キレイな肌が印象的♪
総天然色(カラー)映画が“見せ肌”を変えた!?
【写真】ポーラから昭和30年代〜40年代に発売されたファンデーション類。パッケージのデザインもモダンでオシャレ★
昭 和23年頃には、日本発の「油性ファンデ」が登場しました。今と比べればカラーバリエーションは少なかったけれど、肌に最も近い「オークル系」が初めて作られた、画期的な出来事だったんですよ!

昭和26年、国産初の「総天然色(カラー)映画」として話題になった映画『カルメン故郷に帰る』も、ファンデーションの歴史を語る上で外せないかもしれません。主役の高峰秀子を観た女性たちは、「あのキレイな肌には何を使っているのかしら?」と大騒ぎ。スクリーンに映る彼女の肌はピンクっぽくて、とても美しかったんですね。ここから肌をピンクっぽくみせる“ピンク化粧”の流行が始まったんです。当時は映画からメイクの流行が生まれることもよくありました。

昭和32年頃には太いアイラインを入れた“カリプソメイク”が、昭和52年頃にはファンデで作る“小麦肌”などがブームに。
それ以降で私が最も印象的だったのは、女優ブルック・シールズの太い眉の流行でしょうか。女性が自分を主張してきたんだな、こういうタイプの女性も化粧品会社のイメージガールになる時代なんだと衝撃を受けましたね。

こ うして見ると、女性の本格的な社会進出によって、化粧品やメイク法はずいぶん進化してきました。ファンデーションは、その時々の女性の“見せ肌”への欲求を叶えてきました。現代では、若い女性は素肌感を大事にし、大人の女性は年齢にとらわれず自分の好きなメイクを積極的に楽しむために化粧品を選んだり、肌をキレイにケアするためのアイテムを選んだり・・・。
メイクをとおして装うことを心から楽しめる、そして装い方で自分プロデュースも楽しめる、素敵な時代ではないでしょうか。 【イラスト】メイクで“自分プロデュース”を楽しんで♪
Beauty Column 未来のファンデーションはセンサー機能付き!? ファンデーションの研究員さんに聞いた、未来予想図
【写真】ポーラ研究所 メークアップ開発部 黒田 綾子さん
現在のファンデは優れモノが目白押し! そんな中で未来のファンデはどんな進化を遂げていくかをポーラ研究所の研究員、ファンデーションの研究開発に携わる黒田さんにお話していただきました。

「センサー機能を持つファンデーションなんてあったらいいでしょうね。顔に無色のパウダーを塗ったら、デジタル画像化された鏡のようなものの前に立ち、したいメイクをインプット。あとはセンサーライトが顔にあたり、ライトがあたった部分から無色のパウダーがインプット内容に合わせて変化し、メイクが完了。雑誌掲載のプロのメイクを取りこんでアウトプットさせたりできる。
これは夢ですが、少しでも理想のファンデに近づけるよう、これからも女性達の“思いを叶える”ファンデーションの研究開発をしていきたいと思います。」


夢のファンデーションが実現したら、メイクはもっともっと楽しくなりそう! 黒田さん、ありがとうございました♪
 
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