美容文化研究室 - アットコスメ(@cosme)

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Nippon Beauty 再発見 全10回 美容文化研究室 @cosmeとPOLAが美容のルーツに迫ります!
最終回 @cosmeメンバーも再発見!「装う」楽しみ~江戸時代の女性の美学を感じて~
今回は連載の最終回。そこで、@cosmeのメンバーに集まってもらい、村田先生を囲んで座談会を開きました。今に残る江戸や明治の貴重な化粧道具を実際に手にとって見ながら、「装う」楽しみを“見る”、“知る”、“聞く”という点からお話を伺いました。
美容の歴史について教えてくれるのは・・・ 日本の美容文化エキスパート ポーラ文化研究所 主任研究員 村田孝子先生 【写真】村田孝子先生
主に日本と西洋の化粧史・結髪史を研究。
セミナー講演、展覧会、著作などで成果を発表。

「ポーラ文化研究所」詳しくはコチラ
化粧道具と、江戸時代の髪型に“見る”「装う」楽しみ
【写真】@cosmeメンバーと村田孝子先生
【写真】象牙製紅板/びらびらかんざし/携帯用化粧道具(明治時代) 「片はづし」・「燈籠鬢の島田髷」・「春信風島田髷」・「丸髷」
江 戸時代の象徴的な化粧道具と言えば、“おしろい三段重”があります。これは、一番下の最も深い器に水を入れ、おしろいを溶いて使っていたんですよ。

江戸時代の女性は、“どうやって白く見せるか”が美の秘訣だったので、おしろいを首や襟足にまで塗って、少しでも色白くて若く見せようと努力していたんです。

そして、当時のメイクの中でアクセントと言ったら紅でした。携帯用の象牙製の紅入れを着物の帯の中に入れておいて、外出した時にササッと薬指でつけたりしていたんですよ。その他には、化粧道具キットがあり、刷毛やおしろいや筆などがセットされています。今見ても、おしゃれですよね! このような化粧道具を見ても、当時の女性たちの“装う楽しみ”が伝わってくるようです。

江戸時代の女性は、結婚すると鉄漿(おはぐろ)にしたり、子どもを産むと眉を剃ったりという習慣がありました。それが一人前の女性になった印でもあったのです。

髪型は、時代や地域、身分、職業によってスタイルが違いました。江戸前期の未婚の女性は島田髷(まげ)、既婚の女性は丸髷、島原の遊女などはボリュームのある派手な横兵庫髷、同じ髷でも、江戸の吉原はシンプル、そして御殿女中は髱(たぼ)が、ぺったんこの髪型だったんですよ。

ま た、鳥かごや、小さな蝶で装飾された“びらびらかんざし”、高級なべっ甲製の髪飾りなどをつけてヘアスタイルも思いきり楽しんでいました。なんと京都の島原では、髪飾りだけで6kgの重さがあった、というおしゃれな遊女もいたそうです。

そして、当時の女性たちは“若々しく”、黒髪をより美しく見せるために、びん付け油を使って“ツヤ”を出し、すき毛を入れて髪を結って“ハリ”を出していたんですよ。

今の感覚とはちょっと違いますが、当時の女性って、ツヤのある黒髪、鉄漿をした黒い歯、紅の赤のコントラストが、ろうそくの灯りに照らされると、とても美しく幻想的な感じで見えていたのだと思います。そのためには、もともとの肌をキレイにしなきゃという意識もあったようです。

このようにメイク法や髪型でよりキレイに、より若く見せるためにいろんな工夫をしていたのだということが分かります。

今でも使えるような細かい細工でビックリ!/ほんすけのママさん 江戸時代の女性たちもかわいくてキレイなものが好きだったんですね!/シルヴィさん
笹紅体験で“知る”「装う」楽しみ
江戸時代の紅は、大変貴重で“紅ちょこ”という容器に、塗って売られていました。
紅の原料、紅花は、もともとはエジプトから来たものです。日本では、この紅花を臼(うす)でついて、水にさらし、赤い色素だけを残し、これをお餅のように固めて京都へ出荷していました。
それが口紅になったり、着物の紅染めなどに使われていたんです。
紅は、花の部分から約0.3%くらいしかとれないとても高価なもの。紅花から作った口紅は、発色がよくて、しっかりつくのが特長で、何度も重ね塗りしていると光輝く玉虫色になるんですよ。口紅が買えない人は、使う量を少なくするために、習字の墨を薄めて下地のように塗り、その上に紅をうすく塗って、同じ玉虫色にしたといいます。

また、江戸後期の浮世絵などを見ると、下唇に紅をさした女性たちがたくさん出てきます。当時の流行のメイクや装いがとてもよく分かります。

【写真】紅花でつくった笹紅を体験中!
【写真】今、売っている口紅にも負けない色の強さはスゴイ!/ふろ&ななさん
村田先生に“聞く”「装う」楽しみって?
【写真】村田孝子先生
こ れまでこの連載で、日本女性のメイクの歴史をいろいろな角度から紐解いてきました。
昔の女性は、階級や年齢などいろいろな制限があったにもかかわらず、「装う」という楽しみをどこかで見出していたように感じます。

現在は誰もが自由に好きなメイクを楽しめる時代。だからこそ、何歳になってもその楽しみを続けたいと思いますね。自分を美しくすることって女性の天分。ちょっとメイクするだけで随分気分も変わるでしょう?
どこへ出かけるにもメイクを楽しむという気持ちを忘れないでほしいな、と思います。

江戸時代の女性と同じで、少しでも美しく装いたいという気持ち、そういった気持ちは、女性が長く美しくいられる秘訣じゃないかしら。
たとえ最悪の気分の時でも、口紅ひとつで気分は変わるもの。そんな気持ちを常に忘れないでほしいと思いますね。
それが、これから生きていく楽しみのひとつになるのではないでしょうか。
 
村田先生のお話を聞いて、@cosmeメンバーは、どんな感想をもったのかしら? 私にとって、「装う楽しみ」とは、●●です!
自分を知る方法のひとつ/稲葉鈴さん いつまでも女であることを忘れず、人生を楽しむこと/youko&atsusiさん 自分をもっともっと、好きになる/シルヴィさん
編集後記 今回で美容文化研究室は、最終回を迎えました。担当編集者から、ご愛読いただきました皆様へ感謝の気持ちを★
とにかく驚いたのは、昔の女性たちが、こんなにもメイクにアツかった! ということ。白粉をひとつ塗るにも、手間と時間をしっかりかける、この心意気★ メイクは顔をキレイに見せるだけじゃない・・・改めて考え直しました。この連載が、皆様のコスメライフのスパイスになれば、嬉しいです♪ ご愛読、ありがとうございました!/leo 07 “草を使った江戸時代のパック”や、“氷砂糖を使った唇のツヤ出し法”など、先人の知恵に驚きの連続でした。時代が変わっても、女性はキレイを求めてがんばっていたんですね! そして、簡単&素早くキレイを楽しめる現代コスメの技術の進化にも改めて感謝★ みなさんも“温故知新”で、もっとお化粧を楽しんでくださいね!/kai_1980
 
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